大変残念ながら、本誌「畜産の研究」は、本年2021年の第75巻第12号(12月1日発行)をもって休刊することとなりました。
当社は戦前より、農業総合誌である「農業および園芸」を刊行しております。そして、戦後の畜産物の需要の増加に伴って発展した畜産業に注目し、1947年(昭和22年)に、畜産業に関するより高度な内容を掲載する専門誌が必要であると判断し、「農業および園芸」から独立する形で「畜産の研究」を創刊しました。
創刊当時、わが国の畜産業では学術研究が始まったばかりで、日本語の文献がまだ少ない状況でした。国内の最新の研究成果や海外の事例を紹介する本誌は、数少ない畜産業の研究専門誌として、好評を博しました。
特に、当誌は飼養管理などの技術的な情報を中心に掲載してまいりました。しかし、成熟期にある日本の畜産業の現場では、生産技術よりむしろ販路の開拓や後継者の確保、人材の育成などの経営に関する情報の需要が高まっており、弊誌の目指す方向性とはずれが大きくなっております。
当誌の主要な読者層は「畜産農家」や「技術者・研究者」、「行政関係者」であり、畜産業に支えられていました。しかし、畜産物の価格の低迷や飼料価格の高騰、輸入畜産物との競合により、畜産業自体が縮小を続けています。当社は畜産農家数の減少と、研究機関・行政機関の図書予算の削減、前述の需要との乖離などによる売り上げの減少を克服することはできませんでした。
当誌は創刊から75年を経て、日本の畜産業に貢献できたと自負しております。印刷メディアとしての使命は果たせたと判断し、非常に心苦しいながらも、休刊を決定いたしました。長年に渡り当誌を支えてくださった読者や著者の方々に、深くお礼申し上げます。
なお、今後は姉妹誌の「農業および園芸」や書籍などを通じて畜産業関連の情報提供を続けて参ります。引き続き日本の畜産業に微力ながら貢献できるよう努める所存です。
(株)養賢堂「畜産の研究」編集部
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「農業および園芸」は、毎月1日発売です。 農学・農業上の新しい研究と実際増益に役立つ内外の新説を、迅速かつ正確に提供することを主眼に毎号、現在直面している話題を巻頭に、論説・総説・資料、実用記事、研究要報、外国文抄録、連載記事、新品種解説、ニュースなどを掲載するわが国唯一の農業総合誌です。最新知見の収集にぜひご購読下さるようお薦めします。
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