畜産の研究 2021年4月1日発売 第75巻 第4号

戦後、日本の畜産は先進国に一刻も早く追いつこうと、暗中模索のうちに数多くの研究が行われていました。そのような背景のもとで、昭和22年に姉妹誌である「農業および園芸」から、注目を浴び始めた畜産分野を独立させたのが本誌です。本誌は畜産研究関係者の中でも、試験研究所・大学先進農家に主な読者層を有し、研究要報や農家の経営事例をはじめとし、さまざまな情報を提供し続けています。

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判型 B5判
発行日 2021/04/01
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目次

産業動物

マンスリーレポート 日本の畜産事情
~その1.水田での粗飼料生産~

畜産飼料調査所主宰 阿部 亮

人類の進化と新しい畜産技術;培養フォアグラ

元農林水産省畜産試験場・近畿大学名誉教授 角田幸雄

生物統計学講座(10)
―棄却検定―

元(独)製品評価技術基盤機構(NITE)安全審査課非常勤技術専門職 小林克己

哺乳動物の精子(2)
―精子の歩んだ道―

信州大学名誉教授 辻井弘忠

家畜飼養管理の実践(16)
―畜産業における労働安全衛生―

静岡県立農林環境専門職大学短期大学部 片山信也・小林信一
静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部 祐森誠司

飼料学(193)
―異嗜と嗜好―

静岡県立農林環境専門職大学 祐森誠司
(一社)日本科学飼料協会 石橋 晃

Dr. Ossyの畜産・知ったかぶり(118)
戦争と動物④イヌ

麻布大学名誉教授 押田敏雄
静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部 祐森誠司

コロナ禍等に伴う食糧危機・これからの農牧生産・食糧増産戦略の必要性(4)
―中国における食糧生産実情(その2)―

(株)宏大 & エクアドル、リトラル工科大学 冨田健太郎

 

説明

今月のピックアップ
「マンスリーレポート 日本の畜産事情」
~その1. 水田での粗飼料生産~

2020産米の価格は1俵60kgが前年よりも676円下落した、需要と供給のアンバランスが理由である。
2021年の食用米の作付面積をどのようにするかの議論が年末から始まり、現在(2021年2月)も続いている。ちなみに令和2年の日本の水稲作付面積は158万haで、その作付構成は主食用米が136.6万ha、備蓄米が3.7万ha、加工用米が4.5万ha、飼料用米が7.1万ha、稲発酵粗飼料(稲WCS)が4.3万ha、米粉用米が0.6万ha、新市場開拓用米(輸出向け米等)が0.6万haである。

需給をバランスさせるためには30万トン程度減らす必要があるという観測も出ている。それを受けて、作付面積の減少分を何で補うかの検討が各地でなされていると思う。受け皿の一つにイネWCSがある。

日本の飼料自給率の向上、耕畜連携による地域産業の活性化に貢献する生産手法であることは間違いない。
今月号では、水田からの稲WCSの生産について、日本の粗飼料生産という視点から考察する。

畜産飼料調査所主宰 阿部 亮

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