目次
はじめに
本書のねらいと構成
第1章 小さな牧場の優しい牛飼い夫婦―北海道旭川・クリーマリー農夢
第2章 有機畜産のコミュニティづくり―北海道せたな町“やまの会”
第3章 多彩なマーケティングの放牧酪農―北海道十勝しんむら牧場
第4章 有機肉牛生産システムの開発―北里八雲牛ブランド
第5章 放牧酪農認証牛乳の開発―北海道忠類酪農とよつば乳業
第6章 有難(ありが)豚(とん)の挑戦―津波被災再建からウェルフェア フード開発へ
第7章 東京におけるアニマルウェルフェア
体験牧場農園の開設プラン―牛と人のしあわせな牧場・町の中のおいしい楽しい牧場
第8章 ケージから放牧、有機養鶏への転換―山梨県黒富士農場
第9章 理想郷を求めて建設した放牧養豚―山梨県ぶぅふぅうぅ農場
第10章 元気な生産者が健康な動物と人を育てる―山口県秋川牧園のネットワーク生産
第11章 小さな離島での放牧養豚ライフスタイル―山口県瀬戸内海・祝島の氏本農園
説明
現在日本の畜産農場の大半は、欧米畜産先進国から導入してきた工場的畜産のままである。
アニマルウェルフェア畜産農業者は極少数派であるが、単なる生産段階での飼育技術システムの改革だけではなく、飼育者が自身のライフスタイルをまさに「人間と家畜とが相互依存するウェルフェア共生システム」の中で充実させている人たちである。
欧米畜産先進国のアニマルウェルフェア畜産にも引けを取らない、日本における先進的なアニマルウェルフェア農場の存在とその成果を紹介する。
その実態から伺えることは、家畜の行動の自由度をたかめる飼育によって、健康な家畜と安全で高品質の食品を生産するだけでなく、飼育者とともにそのフードチェーンでつながる食品産業の従事者、最終消費者もアニマルウェルフェア飼育の家畜と触れ合うことによって返って動物から癒しを与えられるという、「満たされた生活」を受け取る喜びがみられる。
欧米の人間優位主義的な動物管理視点(management)が強いアニマルウェルフェア生産システムとは異なる、むしろ共生視点(Symbiotic)が強い「日本的アジア的なウェルフェア・フードシステム」が進展しているといってもいいであろう。
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