目次
はじめに
第1章 母乳が優先増殖させる乳児腸内のビフィズス菌
第2章 新しい昆虫産業を創る!
第3章 セルロースナノペーパーを用いた電子デバイスの開発
第4章 光の指紋で食品の安全を守る!
第5章 北海道発の気候変動適応策
第6章 微生物ゲノム情報を圃場で活かす
第7章 家畜のゲノム編集
第8章 ビッグデータの情報解析が開く育種の地平線
第9章 スマート農業とフェノミクス
あとがき・著者プロフィール
2,037円 (税込)
本書は2014年度日本農学会シンポジウム「ここまで進んだ! 飛躍する農学《(2014年10月4日東京大学弥生講堂)での講演をもとに各著者が書き下したものである. 内容はプレバイオティクス, 昆虫新素材, セルロースナノファイバー, ビッグデータを活用した食品のリスク検知, ゲノムと表現型のモデル化, 農業―生物―環境の複雑系の解明, 気候変動適応とゲノム情報による温室効果ガス制御, および新たな家畜生産・利用系という構成であるが,各講演によって引き起こされる農業技術の夢に会場が知的興奮につつまれ, 講演時間が短く思えたシンポジウムであった.
本書の刊行により, その知的興奮が多くの読者に伝えられることを期待するものである.
在庫あり
はじめに
第1章 母乳が優先増殖させる乳児腸内のビフィズス菌
第2章 新しい昆虫産業を創る!
第3章 セルロースナノペーパーを用いた電子デバイスの開発
第4章 光の指紋で食品の安全を守る!
第5章 北海道発の気候変動適応策
第6章 微生物ゲノム情報を圃場で活かす
第7章 家畜のゲノム編集
第8章 ビッグデータの情報解析が開く育種の地平線
第9章 スマート農業とフェノミクス
あとがき・著者プロフィール
農学は研究のフィールドが地球, 海洋, 森林, 農村, 農地に及び, 扱う生物種も哺乳類, 魚類, ?物, 昆虫, 小動物, 微生物まで数え上げられる. さらに, 応用科学としての切り口としては環境, 生態系, 群, 群落, 個体, 組織, 細胞, 分子, インフラ, 食品, 健康などがあり, 他の領域との接点も多い. 手法としても情報科学から分子生物学まで多岐なものが動員され, これらの手法の進化と研究領域の拡大を生んでいる.
応用科学は社会からの多様な要請に対して受動的に応えるだけのものではない. 研究対象に対する切り口の発見, 徹底的な接近, 有効な研究手法の応用など, 応用科学の研究を成功に導く要素は与えられた課題を解決するだけにとどまらず, 新たな応用の局面や基礎科学の分野を切り開くものである.
農学は今や, 大量の情報を処理し, 遺伝子改変を行い, あるいは新素材を開発することによって, これまでの農林水産技術の延長線上にないものを生み出しつつある. また, 諸科学の対象が生物や環境に集中するのに伴って, 農学と医学, 薬学, 理工学などとの距離が近くなり, 異分野融合による新たな成果が期待されるようになった. 異分野融合は研究の新たなモチベーションを生み, 発想を豊かにし, 知見や手法の交流を拡大する.
新素材の開発とICT(情報通信技術)は融合の成果を生み出す決め手になっている. 本書では生物系新素材からICTまで, 農学の広い分野から話題を集め, 今後の農学を展望したものである.
ICTによる農業革新が注目され, そのためのモデルがいくつか提案され, 商業ベースでの運用も始まった. 世界的にもレベルが高いとされる我が国の農業者の知識には学術や試験研究が提供したものと農業者が伝統や経験から得たものがある. 前者は誰でも習得できる知識体系で形式知(顕在知)といわれる. これに対して後者は農業者が体得したもので他者が学ぶことが困難なもので暗黙知といわれている. ICTによる経営支援で篤農技術の活用, すなわち暗黙知の形式知化を強調するものもあるが, 篤農技術の個別性などにより, ICTといえども経営支援のツールとするのは容易ではないと指摘されている.
一方, 形式知は知識が言語やデータで集積しており(いわゆるビッグデータを形成), ICTによるツール化が可能である. 広範にわたり, 深化した農学の形式知が色々な目的に誰にも上自由なく使え, どうしたら農業革新や問題解決をもたらすかを指し示すようにすることが第一に重要であろう.
本書は2014年度日本農学会シンポジウム「ここまで進んだ! 飛躍する農学《(2014年10月4日東京大学弥生講堂)での講演をもとに各著者が書き下したものである. 内容はプレバイオティクス, 昆虫新素材, セルロースナノファイバー, ビッグデータを活用した食品のリスク検知, ゲノムと表現型のモデル化, 農業―生物―環境の複雑系の解明, 気候変動適応とゲノム情報による温室効果ガス制御, および新たな家畜生産・利用系という構成であるが,各講演によって引き起こされる農業技術の夢に会場が知的興奮につつまれ, 講演時間が短く思えたシンポジウムであった.
本書の刊行により, その知的興奮が多くの読者に伝えられることを期待するものである.
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