目次
緒論 肉用牛技術の発達と肉用牛の科学
第1章 わが国における肉用牛産業
第2章 わが国における肉用牛産業
第3章 繁殖
第4章 栄養
第5章 飼料
第6章 生理と発育
第7章 飼養管理
第8章 飼育環境と施設
第9章 牛肉の流通
第10章 肉量・肉質の評価と制御
第11章 衛生
第12章 肉牛生産の今後の展開
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50年にわたって発表されてきた研究成果をもとに、肉用牛研究会の会員が主体となって、肉用牛の生産についての新しい技術を取りまとめられたのが本書「肉用牛の科学」である。本書は肉用牛生産に関わる広範囲な分野について、多くの新しい情報が提供されており、肉用牛生産のありかたについての重要な指針を示すものといえよう。
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緒論 肉用牛技術の発達と肉用牛の科学
第1章 わが国における肉用牛産業
第2章 わが国における肉用牛産業
第3章 繁殖
第4章 栄養
第5章 飼料
第6章 生理と発育
第7章 飼養管理
第8章 飼育環境と施設
第9章 牛肉の流通
第10章 肉量・肉質の評価と制御
第11章 衛生
第12章 肉牛生産の今後の展開
肉用牛研究会が発足したのは1964年である。早いものでこれまでに50年を経過したことになる。1964年は東京でオリンピックが開催された記念すべき年であった。さらにこの年は東海道新幹線が走り出した年であったし、東吊・吊神高速自動車道が開通した年でもあった。その頃は太平洋戦争の終戦から20年近くを経過し、我が国の経済が回復し、高度経済成長期を迎えた時でもあった。このような経済の回復は我が国の復興に良い影響を与えたが、一方わが国の和牛はそれによって大きい問題に直面せざるをえなかった。それまでの和牛は、役利用、厩肥生産等をとおして耕種農業、とくに水田農業と深く結びついた働きをしており、一般に農用牛と呼ばれていた。ところが経済が復興し、国民生活が向上するに伴って農業の機械化が急速に進みはじめ、和牛の畜力はあまり必要とされなくなってきた。また化学肥料の利用が広く普及するようになり、和牛の厩肥の価値が相対的に低下していった。また国民の食生活が改善するとともに、牛肉の消費が増加し、肉利用のために屠殺される和牛の頭数が増加する傾向が見られるようになった。すなわち和牛が従来からの農用牛という位置づけから、肉生産を主とした肉用牛、あるいは肉専用牛へと大きく転換する時期を迎えたのである。
そのような和牛を取り巻く状況の変化に対応するために、1960年頃から肉生産を主目的とした和牛のありかたについて、各地の試験研究機関で研究がはじめられた。例えば子牛のときから肉生産を目的とした肥育形態としての若齢肥育法の開発、遺伝的に和牛の産肉能力を高めるための検定方法の開発、さらに良質な肉を効率的に生産するための肥育技術の開発など、多くの試験研究が実施されるようになった。ただ実際に牛をつかっての試験研究を行う場合、当時の経済状態からしても、多くの頭数を用いて行うことは難しく、小規模な試験が多くならざるをえなかった。
そこで各試験研究機関で実施された研究成果を互いに発表しあい、討議することによって、チームワークでもって試験研究の成果を高め、和牛が直面する諸問題を解決しようとの考えから、当時京都大学の教授であった上坂章次先生が中心となって、関係者の方々の協力のもとに発足したのが本研究会である。
それ以来、肉用牛研究会は毎年研究発表会やシンポジウムを開催し、また研究会報を発行して研究成果を発表して今日に至っている。当初はどちらかといえば肥育技術の開発と向上に関する試験研究の発表が中心となっていたが、次第に肉用牛として必要なより広い意味での技術開発に関する研究が活発に行われるようになり、学術的にもより充実した内容を持つようになってきている。また肉用牛の生産現場に直接関係しておられる生産者や技術者の方達にもできるだけ研究発表会に参加していただき、その成果を生産現場で有効に利用していただきたいとの考えから、発表内容をできるだけわかりやすいものにし、また発表方法も普通の学会でよく見られるような短時間の発表でなく、余裕を持った発表方法を取り入れることによって、充分な討議が行われるように心がけてきたのも本研究会の特色といえよう。
このような50年にわたって発表されてきた研究成果をもとに、肉用牛研究会の会員が主体となって、肉用牛の生産についての新しい技術を取りまとめられたのが本書「肉用牛の科学」である。本書は肉用牛生産に関わる広範囲な分野について、多くの新しい情報が提供されており、肉用牛生産のありかたについての重要な指針を示すものといえよう。
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