サンドイッチ構造

2,860 (税込)

本書はサンドイッチ構造のメリット、デメリットを十分理解し、従来の単一材料に比べサンドイッチ構造が如何に 素材の特性を生かし、かつ素材を有効に活用できる手段であるかを知っていただき、サンドイッチ構造採用のきっか けになればと、そして、新規構造体の開発手段として活用していただければと願っている。 複合材料、複合構造に関係する多くの研究者・技術者の皆様にお薦めします。

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著者:
判型 A5判
第1版
ページ数 176
発行日 2008/02/29
ISBN-13 978-4-8425-0431-5 C3053
ISBN-10 4-8425-0431-5
JAN 1923053026003
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目次

第1章 サンドイッチ構造とは
 1.1 サンドイッチ構造
 1.2 サンドイッチの語源とその構造形態
 1.3 構造と構造機能
 1.4 軽量化の手法
 1.5 サンドイッチ構造とカナッペ構造
 1.5.1 サンドイッチ構造
  (1)プレハブ化
  (2)複合効果
 1.5.2 カナッペ構造
 1.6 薄肉の複合構造
 1.7 新規サンドイッチ構造
 1.7.1 インテグラル構造
 1.7.2 フォーム材とハニカムとの構成
第2章 サンドイッチ構造はなぜ必要か
 2.1 機械的特性と機能的特性
 2.2 軽量で高剛性の構造体
 2.3 サンドイッチ構造に期待する機能
 2.3.1 軽量で高い曲げ剛性
  (1)軽量化
  (2)軽量構造のメリット
 2.3.2 強さと剛性
  (1)部材の強さと変形(強さ設計と剛性設計)
  (2)等価強さと等価剛性
  (3)強さと弾性率とのバランス
  (4)構造によるメリット
  (5)サンドイッチ構造へのアプローチ
 2.4 サンドイッチ構造の機能的特性
 2.4.1 優れた断熱特性
 2.4.2 優れた遮音特性
 2.4.3 設計の自由度(デザインフリー)
 2.4.4 容易なプレハブ化
 2.4.5 調湿機能
第3章 サンドイッチ構造を構成する表面材
 3.1 はじめに
 3.2 表面材の要求性能
 3.2.1 優れた引張強さと圧縮強さ
 3.2.2 優れた機能的特性
 3.2.3 優れた加飾性
 3.3 表面材の成形
 3.4 表面材の種類
 3.4.1 アルミ合金
 3.4.2 チタン合金
 3.4.3FRP(繊維強化プラスチック)
 3.4.4 木質系材料
 3.5 表面材の機能
 3.5.1 耐食性
 3.5.2 耐摩耗性
第4章 サンドイッチ構造を構成する心材
 4.1 はじめに
 4.2 心材の要求性能
  (1)軽量なこと
  (2)せん断強さの高いこと
  (3)圧縮強さの高いこと
  (4)接着性のよいこと
  (5)成形加工性、寸法精度のよいこと
 4.3 心材の種類と形態
 4.3.1 心材の種類
  (1)マイクロセル型
  (2)マクロセル型
  (3)屈曲シート型
 4.3.2 プラスチックフォーム(マカロニタイプ)材
 4.4 心材の特性
 4.4.1 機械的特性
 4.4.2 機能的特性
  (1)断熱特性
  (2)遮音特性・吸音特性
  (3)防火性能
  (4)振動吸収性能
  (5)調湿機能
第5章 サンドイッチ構造の接着剤
 5.1 はじめに
 5.2 サンドイッチ構造の接着
 5.3 接着剤に関する要求性能
 5.4 接着剤の種類と物性
 5.5 接着剤の選定
 5.6 サンドイッチパネルの接着の役割
 5.6.1 積層板の曲げ応力
 5.6.2 積層板の曲げ剛性
 5.7 接着の重要性
第6章 複合材料とサンドイッチ構造の力学
 6.1 はじめに
 6.2 繊維強化複合材料の力学
 6.2.1 強化形態
 6.2.2FRPの異方性
 6.2.3FRPの強化機構と異方性
  (1)一方向繊維強化材料
  (2)クロス強化積層材料
 6.3 積層構造における接着の効果
 6.3.1 材料の一体化(3本の矢)
 6.3.2 単板と積層板
 6.4 複合構造
 6.4.1 横荷重を受ける積層板の応力
 6.4.2 ハイブリッド構造
 6.4.3 サンドイッチ構造
 6.5 積層構造とサンドイッチ構造
 6.5.1 積層構造
  (1)プラスチック3層シート
  (2)金属/プラスチック3層シート
  (3)カナッペ構造
 6.5.2 ハニカムサンドイッチ構造
第7章 サンドイッチ構造のつくり方
 7.1 はじめに
 7.2 成形法の分類
 7.3 サンドイッチ構造の成形法
 7.3.1 湿式積層法
 7.3.2 注入発泡法
 7.3.3 ロストワックス法
 7.3.4 リザーバーモールディング法
 7.3.5ICI成形法
 7.4 心材の加工法
 7.4.1 ハニカムの種類
 7.4.2 ハニカム材の加工法
 7.4.3 硬質プラスチックフォーム材・バルサ材の加工法
 7.5 サンドイッチ構造の修理
  (1)表面材の損傷
  (2)表面材と心材の損傷
  (3)サンドイッチパネルを完全に貫通した損傷
 7.6 ハニカムサンドイッチの端末部の補修
第8章 サンドイッチ構造の設計
 8.1 はじめに
 8.2 基本的設計の考え方
 8.3 サンドイッチパネルの応力と変形
 8.3.1 サンドイッチパネルの応力
 8.3.2 サンドイッチパネルの変形
 8.4 サンドイッチパネルの破壊
 8.4.1 表面材の破壊
 8.4.2 心材の破壊
  (1)せん断破壊
  (2)圧縮破壊
 8.4.3 表面材と心材の界面での破壊
 8.5 各部材の寸法決定に関する基本的な考え方
 8.6 設計の基本的な考え方と検討項目
 8.7 ハニカムサンドイッチ構造の軽量性と高剛性
 8.8 ハニカムサンドイッチ構造のエネルギー吸収性
 8.9 ハニカムサンドイッチ構造の遮音性
 8.10 心材に期待される素材(資源の有効利用)
 8.10.1 生分解性プラスチック
 8.10.2 バイオプラスチック
 8.10.3 ニーズ指向型材料の積極的な展開
索引

説明

近年、プラスチック系材料として注目されている強化プラスチック(FRP)で代表されるような軽量構造用材料 の開発と実用化に伴い、多くのプラスチック系材料が軽量で耐食性に優れた構造用材料として広く使用されるように なった。このように人為的に創造され、構築されるニーズ指向型の構造材料には種々の材料特性を生かした複合材料 をはじめ、様々な複合構造体などがある。しかし、このような多くの新規材料や構造体の開発の中でも、特にサンド イッチ構造は異種の材料特性を積極的に組み合わせて、素材の特性を有効に活用し、新規な機能的特性を有する構造 体の開発手段として多くの関心を呼んでいる。

サンドイッチ構造は、プラスチック系材料の機能的特性と成形性を生かし、かつ弾性率の低い材料の特性を補って高 剛性化するための手段として広く実用に供されている構造体である。また、このようなサンドイッチ構造は、新規材 料の開発や進歩などにも支えられ、また素材の特性を生かした様々な成形技術などを駆使し、新しい複合構造体が様 々な産業分野で拡大、展開されている。従来、サンドイッチ構造は単一の構造体に比べ、成形法も難しく高価な高機 能構造体として発展したこともあって、宇宙・航空関係といった特殊な分野でしか実用に供されていなかった。しか し、最近の新素材の開発と成形技術の進歩に伴い、機械、建築、土木など、一般用構造材料の要求される幅広い応用 分野で使用される汎用の構造体として大いに関心が高まっている。

本書は、このような最近の技術的な進展の動向を踏まえ、サンドイッチ構造体のさらなる発展を目指して、また、サンドイッチ構造に関心を寄せる多くの技術者に少しでもサンドイッチ構造の新規技術の開発に目を向けて貰うべく執筆したものである。したがって、その内容は最近の素材の開発や成形加工技術などの進歩も含めて、サンドイッチ構造の基礎とその応用技術に関する啓蒙書として広い読者層を対象に執筆したものである。そのため、サンドイッチ構造では力学的な理論的展開の部分も多いが、本書ではできる限りこのような難しい計算式などはなるべく避けて、サンドイッチ構造のメリットを感覚的に知っても貰うように注意を払ったものである。したがって、この書物を介して少しでも多くの技術者にサンドイッチ構造の良さと、サンドイッチ構造による新規機能や新規技術を知り、その知識を大いに実践に生かしていただければと考えている。 なお、私ごとで恐縮であるが、サンドイッチ構造に関する書物としてすでに「サンドイッチ構造の基礎」(日刊工業新聞社刊)といった、サンドイッチ構造に関する設計技術者を対象とした書物が日刊工業新聞社から出版されているので、実際の設計に携わる技術者には、このような書物を参考にし、さらにキメの細かい設計をしていただければと考える。

したがって、本書はあくまでもサンドイッチ構造のメリット、デメリットを十分理解し、従来の単一材料に比べサンドイッチ構造が如何に素材の特性を生かし、かつ素材を有効に活用できる手段であるかを知っていただき、サンドイッチ構造採用のきっかけになればと考えている。そして、ここで得られた知識を活用して、少しでも多くの研究者・技術者の皆様に新規構造体の開発手段として、本書を活用していただければと願っている。特に、最近の材料開発や成形技術の進歩を含めて、複合材料、複合構造に関係する多くの皆様に大いに役立てていただければと心より願っているものである。

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