有機化学III

5,060 (税込)

本書は、前著の有機化学Ⅰ・Ⅱ(1988年刊行)の有機立体化学の続編および立体配座解析と複素環化学とを学び、次に広凡な天然物有機化学を概観している。いずれも歴史的視点を重視し、現代化学の教育課程から環境問題にも言及している。

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著者:
判型 A5判
第1版
ページ数 354
発行日 2006/12/05
ISBN-13 978-4-8425-0391-2 C3061
ISBN-10 4-8425-0391-2
JAN 1923061046000
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図書館: カーリル
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目次

18. 有機立体化学(その3)立体配座解析と絶対立体配置の決定
 1. 脂環式化合物の立体配座
 2. 脂環式化合物における立体配置と物性との関係
 3. 脂環式化合物における立体配置と反応性との関係
 4. 絶対立体配置の決定法

19. 天然有機化合物(その1)テルペノイド、ステロイド、カロテノイド
 1. 天然有機化合物の分類と研究分野
 2. イソプレノイドの概説
 3. モノテルペノイド
 4. セスキテルペノイド
 5. ジテルペノイド
 6. トリテルペノイドとステロイド
 7. カロテノイド

20. 複素環化学
 1. 複素環化合物の概説
 2. 三員環複素環化合物
 3. 四員環複素環化合物
 4. 五、六員環複素環化合物
 5. 五員環の芳香族複素環化合物
  (1)フラン、ピロール、チオフェン
 6. 縮合フラン、ピロール、チオフェン
 7. アゾール
 8. ピリジン
 9 キノリンとイソキノリン
 10 ジアジン
 11. α-ピロン、γ-ピロン、クマリンとクロモン
 12. 複素環医薬品の化学合成-ヴァイアグラ(r)を例として-

21. 天然有機化合物(その2) ポリケチド、フェニルプロパノイド、アルカロイド
 1. ポリケチドの概説
 2. ポリケチドの生合成
 3. ポリケチドの各論
 4. ポリケチドの化学合成
 5. フェニルプロパノイドの概説
 6. フェニルプロパノイドの生合成
 7. フェニルプロパノイドの各論
 8. フェニルプロパノイドの化学合成
 9. アルカロイドの概説
 10. 脂肪族アミノ酸に由来するアルカロイド
 11. フェニルアラニンとチロシンに由来するアルカロイド
 12. トリプトファンに由来するアルカロイド
 13. ペニシリンとセファロスポリンの生合成と作用機構

22. 天然有機化合物(その3) 炭水化物、脂質、アミノ酸、核酸、ビタミン
 1. 一次代謝産物の概説
 2. 炭水化物
 3. 脂質
 4. アミノ酸
 5 核酸関連物
 6. ビタミン

23. 有機化学と人生
 1. 味の化学
 2. においの化学
 3. 天然色素の化学
 4. 環境と有機化学

参考書
索引

説明

有機化学1、2を1988年に公刊して、今回有機化学3を書き終るまでに18年かかってしまった。当初の予定とことなり私一人の著作となったが、遂に本書が刊行できることを嬉しく思っている。

本書では、まず立体配座解析と複素環化学とを学び、次いで広汎な天然物有機化学を概観する。前二著と同じように本書でも、歴史的視点を大事にした。ステロイドの骨格構造が決まるのにはどんないきさつがあったかとか、プロスタグランジンの化学はどんな観察から始まったかとかを述べることで、これからも必ずある新発見・新構造に読者を準備させるのが、私の狙いである。本書は、有機化学1、2を既に学習した人たちを読者に想定している。したがって、図では英語で説明を書くように努めた。英語がわかることは、現代化学の学習では絶対に必要だからである。参考書は巻末にたくさん挙げたが、学術雑誌の論文などはあまり引用していない。無数の化学者の努力のまとめが、本書だと思っていただきたい。

本書では環境問題も扱った。現代化学の教育課程から、それを抜くことは許されないと考えたからである。

本書の内容は、東京大学農学部での有機化学1(1968-1979年)、 東京理科大学理学部第二部での有機化学2(1995-1998年)、 同大学大学院理学研究科理数教育専攻での現代化学教育1、2(1998-2001年)の、私の講義ノートをまとめたものである。それぞれの時と場所で私の授業を受け、質問したりレポートを出したり試験を受けたりした学生諸君を思い出しながら執筆した。

(序文より抜粋)

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