アクチュエータ工学

3,960 (税込)

本書は、アクチュエータの新しい技術の知識を提供し、新原理アクチュエータを含めた各種アクチュエータの仕組みと使い方についての理解を深めてもらうことを目的として構成されたものである。

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判型 A5判
第1版
ページ数 240
発行日 2004/12/18
ISBN-13 978-4-8425-0367-7 C3053
ISBN-10 4-8425-0367-x
JAN 1923053036002
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図書館: カーリル
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目次

1章 はじめに(1.1 圧電素子等の固体アクチュエータの発展:1.2 ナノメータの時代に入る:1.3 小形・薄形化・低価格化への対応:1.4 マイクロ化への挑戦:1.5 アクチュエータの薄形化:1.6 特殊環境用アクチュエータ:1.7 人工筋肉)
2章 アクチュエータの原理(2.1 静電気力:2.2 電磁力:2.3 圧電効果と光圧電効果:2.4 流体圧アクチュエータ:2.5 機能性流体:2.6 熱・相変態:2.7 化学変化:2.8 アクチュエータの基礎制御論)
3章 静電アクチュエータ(3.1 マイクロ静電アクチュエータ:3.2 高出力静電アクチュエータ:3.3 交流駆動両電極型静電モータ:3.4 高出力静電アクチュエータの特徴と期待される応用例:3.5 まとめ)
4章 球面電磁モータ(4.1 球面同期モータ:4.2 球面誘導モータ:4.3 球面リラクタンスモータ:4.4 回転磁界の生成:4.5 球面ステッピングモータ:4.6 球面モータの研究状況:4.7 おわりに)
5章 超音波モータ(5.1 超音波モータの原理:5.2 最近の研究動向:5.3 おわりに)
6章 光アクチュエータ(6.1 フライバイライトの概念と光アクチュエータ:6.2 光アクチュエータの分類:6.3 直接型光アクチュエータ:6.4 自励型光アクチュエータ:6.5 あとがき)
7章 空気圧ラバーアクチュエータ(7.1 ソフトアクチュエータ:7.2 マイクロラバーアクチュエータ:7.3 まとめ)
8章 機能性流体を応用したアクチュエータ(8.1 電界に反応する流体を応用したアクチュエータ:8.2 磁界に反応する機能性流体アクチュエータ:8.3 マイクロECFモータとECFアクチュエータ:8.4 マイクロポンプ:8.5 まとめ)
9章 形状記憶合金アクチュエータ(9.1 形状記憶合金アクチュエータと動作原理:9.2 形状記憶合金アクチュエータの加熱駆動:9.3 寸法効果と形状記憶合金アクチュエータ:9.4 おわりに)
10章 メカノケミカルアクチュエータ(10.1 これまでに開発された化学的アクチュエータ材料:10.2 電気刺激性高分子アクチュエータ:10.3 イオン性高分子ゲルアクチュエータ:10.4 ICPFアクチュエータの特質と応用:10.5 ICPFアクチュエータのモデリング:10.4 おわりに)
11章 マイクロアクチュエータ(11.1 アクチュエータのスケール効果:11.2 加工方法:11.3 応用事例:11.4 あとがき)
12章 アクチュエータの先端制御技術(12.1 インテリジェント制御:12.2 2自由度制御:12.3 予見学習制御:12.4 ロバストオブザーバ:12.5 おわりに)
13章 触覚ディスプレイ装置におけるアクチュエータ技術(13.1 触覚ディスプレイの分類:13.2 触覚ディスプレイ用アクチュエータ:13.3 おわりに)
あとがき―アクチュエータの研究開発について―(新機構アクチュエータの考案:製造法と使用法の研究:実用化への展開と課題:標準化と試験法の確立)
索引

説明

機械が動き、仕事をするためには、力あるいはトルクを発生するものが機械の構成要素として必要となる。この機械の運動を引き起こすための駆動源となるものがアクチュエータである。電気モータは最も代表的なアクチュエータであり、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換を行っている。筋肉は、化学エネルギーから機械エネルギーに変換するために生物が獲得したアクチュエータとみなすことができる。機械の運動性能はアクチュエータの性能で決まると言って良い。力が強く、パワーが大きく、効率が良く、制御がしやすく、軽いアクチュエータを求めて、研究開発が行われてきている。従来からの代表的なアクチュエータである交流サーボモータなどでは、磁性材料や制御法の発展による性能の向上が進められて来ている。一方で、超音波モータや静電モータなどの新しい原理や方式によるアクチュエータの研究開発が活発に行われている。これは、アクチュエータのマイクロ化の要求など、既存のアクチュエータの単なる性能等の改良では解決できない課題が増してきていることによるものである。また、新材料の出現や加工法の発展に伴い、これらを利用して新しい構造のアクチュエータを開発しようとする試みが盛んになっている。

アクチュエータが学術的には境界領域あるいは総合的な学問分野であり、また、産業と科学技術を支える基盤技術であることの表れであるとも言えるが、アクチュエータに関係する研究発表がなされてきている学会は、日本機械学会、電気学会、精密工学会、計測制御学会、日本ロボット学会、電子情報通信学会、日本音響学会、日本フルードパワーシステム学会、日本AEM学会、静電気学会、日本バーチャルリアリティ学会、ヒューマンインターフェース学会など、多岐にわたっている。特に、新しい方式のアクチュエータに関する研究開発に関して、この分散化の傾向が強い。研究者が多くの学会に分散していることは、研究者の交流や企業大学間の情報交換の障害となっている。

ドイツではアクチュエータに関する国際会議が開催されており、また、米国では人工筋肉の研究開発センターが設置されているなど、アクチュエータの総合的な研究開発が各国で盛んになってきている。このような状況を背景とし、アクチュエータに関する研究者が集まり、平成14年度科学研究費補助金により、アクチュエータに関する研究開発の動向調査研究を共同で行い、次世代のアクチュエータ技術を論じた報告書「次世代アクチュエータ技術の予測調査研究」を纏めた。本書はこの成果を核として、アクチュエータになんらかの形で関係する多くの技術者、研究者を対象とし、アクチュエータの新しい技術の知識を提供し、新原理アクチュエータを含めた各種アクチュエータの仕組みと使い方についての理解を深めてもらうことを目的として、新たに構成したものである。学部・大学院の講義の教科書・参考書としても活用されることを期待している。

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