見直せ日本の食料環境

2,640 (税込)

農業による作物の生産から始まり、食生活、食べ残しの廃棄に至るまでの「食のライフサイクル」に潜んでいる環境課題を技術と経済の両面から探り出して来るべき持続可能な循環型社会における日本の食と農のあり方を考えた一冊。

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判型 A5判
第1版
ページ数 160
発行日 2004/07/30
ISBN-13 978-4-8425-0365-3 C3061
ISBN-10 4-8425-0365-3
JAN 1923061024008
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図書館: カーリル
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目次

1章 豊かに、便利になりすぎた食生活(1.食生活に潜む環境問題:2.輸入食料に依存する日本の食生活:3.調理は外部産業に依存:4.食料品の流通、購買革命:5.豊かになり、便利になった食生活の蔭で)
2章 食の安全性は確保できているか(1.最近気になる食の安全性:2.食品添加物を安全に使用するために:3.残留農薬に新しい心配が増えた:4.環境ホルモンと食生活:5.遺伝子組換え農産物は誤解されている:6.狂牛病騒動はリスクマネジメントの不備から:7.食生活の安全と安心)
3章 日本では食料を自給できないのか(1.食料自給率が40%になった:2.食料自給率が低下した背景は豊かになった食生活:3.豊かになった食料需要を賄えるだけの生産能力はない:4.自給率の低下に拍車をかけた農産物貿易摩擦:5.自給率の回復には消費者と生産者が協同して)
4章 飽食と飢餓が共存しているのに(1.地球が養える人口は:2.世界で8億人が飢えている:3.人口増加による食料不足が自然を破壊している:4.日本は食料をどうして調達してきたか:5.食料危機が襲来するならば)
5章 農業も環境を傷つけている(1.農業が自然の物質循環を乱し始めた:2.農業と地球温暖化:3.農業による窒素の循環:4.農業によるリンの循環:5.農業に欠かせない水資源とその汚染:6.農薬による環境汚染)
6章 日本の水は大丈夫か(1.日本の水資源とその汚染:2.生活排水による水質汚染:3.飲用水は安全か:4.地下水の汚染)
7章 食品産業と環境問題(1.食品産業を取りまく環境:2.環境行政の歩みと食品産業:3.食品産業と大気汚染、水質汚濁、二酸化炭素の排出:4.食品産業の廃棄物処理とリサイクル:5.食品安全性への取り組み:6.食品産業の環境マネジメント)
8章 日本の農業を救う環境価値(1.農業と農村に期待する環境保全:2.日本の農業の構造的弱点:3.農業の構造改革が遅れた:4.食料、農業、農村基本法が目指すもの:5.農業を持続可能なものにするために)
9章 持続循環型社会における農と食(1.循環型社会を構築するために:2.循環型社会における農業とは:3.わが国の環境保全型農業:4.有機栽培農業の現状:5.食生活と食品廃棄物)
参考書と統計資料

説明

人間の活動の根源は食べることである。その大切な食料を生産する農業は森林を切り倒し、野山を開墾して耕地を産み出すことから始った。今日でも途上国では爆発的に増加する人口を養うだけの食料を生産しきれず、頻繁に焼畑を繰り返し過度な耕作、放牧を行っているので森林が消滅し、耕地が砂漠化している。先進国では化学肥料と農薬を多用して食料の増産が進められたが、これら化学物質は環境を汚染し、野生の生態系や住民の健康に悪影響を及ぼすことになった。
わが国においても食料を巡る事情は随分と危ない状態にある。
わが国では、食料を国内農業だけでは賄いきれず、食料の大半を海外から輸入し、食料自給率は僅か40%に過ぎなくなった。国内農業はといえば、戦後の食料不足を補うために化学肥料と農薬を多用して精一杯の増産を果したが、その結果、これら化学物質が田畑、河川を汚染して、われわれの健康にも悪影響を及ぼすことになった。
便利さを追求するあまり、食事作りの大半を加工食品と外食に依存するようになり、目の届かないところで使用される農薬や食品添加物の危険性に怯えなければならない。その上、輸入までして調達している食料の25%もが、食べ過ぎ、食べ残し、売れ残りなどで無駄に捨てられている。必要以上に豊かで、便利な食生活がもたらした大量の食べ残し、台所生ゴミや使い捨てられる食品容器、包装材などは大きな環境問題なのである。
勿論、崩壊しかけている農業と農村を活性化して、自給率を回復させようとする官民の努力は既に始まっている。化学肥料と農薬の施用を極力減らして環境への負荷を少なくする環境保全型農業が徐々に普及し始めた。また食の安全性を確保するために食品行政制度もこの数年で一段と充実してきている。
本書では、農業による作物の生産から始まり、農作物、畜産物の加工、流通、調理、そして食生活、食べ残しの廃棄に至るまでの「食のライフサイクル」に潜んでいる環境課題を、技術と経済の両面から探り出して来るべき持続可能な循環型社会における日本の食と農のあり方を考えてみた。
21世紀には、どのように耕し、どのように食べればよいのかを考えていきたい。

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