光エネルギー工学

4,840 (税込)

光のエネルギーを理解し、いかに利用するか?本書では、ハンドブック的な情報の提示をさけ、光エネルギーの本質に関わる物理現象を詳述した、光エネルギー関連の研究や技術開発を行う諸氏の参考書。

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著者:
判型 A5判
第1版
ページ数 290
発行日 2004/04/30
ISBN-13 978-4-8425-0361-5 C3053
ISBN-10 4-8425-0361-0
JAN 1923053044007
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図書館: カーリル
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目次

第1部 光の放射と吸収
1章 概論(1.光とエネルギー:2.ふく射:3.電磁波:4 熱力学的平衡と熱ふく射:5.局所熱力学的平衡とふく射伝熱)
2章 黒体ふく射(1.黒体放射能:2.プランクの法則:3.黒体の単色放射能:4.黒体放射分率)、3章 ふく射の放射・吸収・反射(1.ふく射量:2.物体面の放射率・吸収率・反射率:3.キルヒホッフの法則:4.ふく射性媒体の放射・吸収・散乱)
第2部 光の伝播とエネルギー交換
4章 電磁波の伝播と物体間のエネルギー交換(1.電磁波伝播過程におけるスケール効果:2.形態係数の概念:3.拡散面の形態係数:4.電磁波の伝播:5.レーザ光の伝播)
5章 任意黒体間のふく射エネルギー交換(1.単一物体からのふく射伝熱:2.任意形状の多物体間のふく射伝熱)
6章 灰色・拡散面間のふく射伝熱(1.拡散面と灰色近似:2.解析法:3.任意加熱条件の3灰色面間ふく射伝熱)
7章 鏡面を含む物体面聞のふく射伝熱とふく射制御(1.鏡面を含む任意形状面間のふく射伝熱:2.鏡面を用いたふく射の放射制御)
8章 ふく射性媒体中のエネルギー伝播(1.ふく射のエネルギーバランス:2.ふく射伝播の基礎方程式:3.放射熱流束ベクトル:4.総合エネルギー方程式:5.ふく射方程式の解法)
9章 平行平面座標系における1次元ふく射伝熱(1.基礎式:2.放射・吸収性媒体のふく射伝熱:3.温度分布が与えられた灰色・放射・吸収性媒体の放射伝熱:4.ふく射平衡状態の等方散乱灰色媒体:5.離散方位法によるふく射輸送方程式の解法)
10章 ふく射要素法を用いたふく射伝熱の統一解析(1.ふく射要素法による統一表示:2.減衰・吸収・散乱形態係数:3.光線放射モデル:4.灰色体のふく射伝熱解析:5.単純形状物体による解析精度の検証:6.任意形状媒体のふく射伝熱)
11章 非灰色・非等方散乱性媒体のふく射要素法(1.非灰色媒体のモデル化:2.非等方散乱媒体を含むふく射伝熱:3.1次元平行平面系におけるふく射要素法:4.ベンチマークテスト:5.実用火炉の計算例)
第3部 光と物質の相互作用
12章 物質と電磁波との相互作用(1.電磁波と固体または液体との相互作用:2.電磁波とガスとの相互作用)
13章 凝縮物質のふく射物性(1.物体面の放射率・吸収率・反射率:2.キルヒホッフの法則:3.実在物体のふく射物性:4.平滑面のふく射物性の推定法:5.金属面のふく射物性の推定法:6.非金属平滑面のふく射物性の推定:7.被膜を有する平滑面のふく射物性の推定法)
14章 ふく射性ガスのふく射物性(1. ふく射性ガスの概要:2.吸収スペクトル:3.温度の影響:4.スペクトルの拡がり:5.ガスモデル)
15章 分散媒体によるふく射の吸収と散乱(1.粒子の吸収・散乱:2.大きな粒子の吸収・散乱:3.小さな粒子の吸収・散乱:4.ミー散乱:5.多分散粒子群のふく射特性:6.実在粒子のふく射物性:7. 繊維媒体のふく射特性:8. 分散媒体の独立散乱と従属散乱)
参考文献:索引

説明

本書は、光のエネルギーを理解し、如何にして利用するかを命題として、第1部「光の放射と吸収」、第2部「光の伝播とエネルギー交換」、第3部「光と物質の相互作用」として全15章で論じている。

ふく射伝熱は、伝熱学の教科書の一部で扱われているが、まとまった邦文著書としては、幾つかのモノグラムと黒崎の「機械の研究」の連載講座の他はあまり散見できない。初学者が、ふく射伝熱を勉強する際、伝熱学の教科書中の章やハンドブックの情報のみからではなかなか深く理解することが難しいといえる。米国には、ふく射伝熱に関する多くの著作があるが、それらのほとんどは情報量が多すぎて、全てを理解するにはかなりの時間が必要である。

本書では、ハンドブック的な情報の提示を避け、光エネルギーの本質に関わる物理現象が理解できるようにした。つまり、光エネルギーに関する幾つかの事例については、なるべく省略しないで詳しく論じているが、全ての関連情報は網羅していない。

多くの計算例は、著者自らが導出したり、再計算して図を作成している。第3部の物性値の導出や反射率、粒子散乱の計算は、データベースの光学物性から独自に計算して作成したものである。また、現象の理解を助けるために、本文中に加えたほとんどのExampleは、独自に問題設定をして計算したものである。詳細な式の導出や物性データは各章末の付録で記述した。

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