目次
第Ⅰ部 学術会議シンポジウム
「21世紀の食糧・環境問題への農業環境工学の貢献」から
シンポジウムの企画編集にあたって
環境工学の現状と将来
閉鎖型植物苗生産システム
不定胚培養による苗生産と培養環境制御
食のアメニティーに関する先端技術の展開
生物生産へのバイオメカトロニクスの応用-バイオチップデバイスへの応用-
環境工学における一つの学術基盤とその展開
森林の三次元リモートセンシング
砂漠化問題への取り組み-主に中国の砂漠化-
温暖化の農業への影響
閉鎖生態系の物質循環
人口・食糧・環境・原子力
第Ⅱ部 生物環境調節の21世紀のパースペクティブ
―生物環境調節に関する82項目で描くそのパースペクティブ―
環境に対する植物反応
環境ストレスと遺伝子発現
植物生体情報の計測と診断
環境制御と要素技術
新しい生産技術・実験施設
生物環境調節の新展開
境界理工学の俯瞰的話題
関連農学の俯瞰的話題
説明
日本学術会議は我が国の科学者コミュニティーを代表するカウンシルであり、第19期の現在、第20期の大改革に向けて、法改正の最中である。
第18期においては、従来法に沿って運営されており、第1部から第7部までに学術分野が区分され、その第6部(農学)に関連する26の研究連絡委員会(以後研連と略記)が参加している。各研連にはさらに幾つかの学協会が参加している。農業環境工学研連は農業工学専門分野の4研連の一つであり、日本生物環境調節学会、日本海水学会、日本農業気象学会、農業施設学会、日本植物工場学会、生態工学会、農業情報学会の7学会が登録している。水圏を含む自然環境から人為的な調節による環境に於ける生物生産プロセス、ポストハーベストプロセス、そしてそれらの情報循環を含む多岐にわたる発展性の大きな専門分野である。
文部科学省は平成15年度から科学研究補助金分科細目の統廃合を実施し、従来の農業機械学と生物環境の2細目が「農業環境工学」に統合された。農業環境工学は農業機械学関連の専門領域を含む場合があることを記憶する必要がある。
本研連は2000年11月に本研連は第18期の活動目標の一つとして、食糧・環境問題へ視点を置いたシンポジウム「21世紀の食糧・環境問題への農業環境工学の貢献」を企画し、2002年4月に実施した。第I部はこのシンポジウムに基づく話題を収録している。
第II部は、双書として刊行される「新農業情報工学」のパースペクティブに足並みを揃え、80余の項目を取り上げた。農業環境工学の全域を小冊子に網羅することは不可能であり、ここでは「日本生物環境調節学会」に俯瞰的視点を限定した。学生・院生、並びに研究者の新たな情報循環を喚起出来れば幸いである。
(序文より)
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