目次
骨格の部
1.骨の形態と構造
2.骨の微細構造
3~4.骨格
5.脊柱の成立と基本的構造
6.一般頚椎
7.環椎
8.軸椎
9.胸椎
10.腰椎
11~12.仙骨
13.肋骨
14.胸骨
15.頭蓋の構成
16~18.頭蓋の全体
19~21.頭蓋の全体
22~25.頭蓋の出入孔
26.下顎骨
27.舌骨装置
28~30.犬の頭蓋
31.肢骨
32.前肢帯
33.上腕骨格
34.前腕骨格
35~37.手骨格
38~39.後肢帯
40.大腿骨格
41.下腿骨格
42.足骨格
43.関節
44.脊柱
胸郭および頭蓋の関節
45.前肢の関節
46.後肢の関節
47.鶏の骨格
48~49.鶏の脊柱
50~51.鶏の頭蓋
52.鶏の前肢骨
53.鶏の後肢骨
説明
世界的規模において多くの獣医学的課題に直面している現在、獣医学の貢献が益々期待されている。こうした事情から、今や獣医大学の規模の国際的規格が提唱されている。一方、我が国の獣医学教育機関においては統合、再編が具体化しようとしている。新しい教科が時代的要求として加わる反面、基礎教科の解剖学は時間的制約を受けている事情を考慮すれば、しかるべき解剖学書を座右に備えていることが形態学に関心を持つ学生にとっても、また、関連分野での研究者にとっても有益でありまた必要と思われる。
本書は、獣医学または畜産学を専攻とする学生や、職場で実地に働く若い研究者・技術者で家畜の体制の基礎知識を必要とする人達を目標にして書かれている。従って系統解剖学の組立の習慣から、表現の仕方が分かりにくく、それでいて実際上それほど必要でもなさそうな事項はできるだけ簡略にすませてきた。同時に、家畜の中でも動物種により、著しく構造上の差異を示す「消化器」ならびに「生殖器」の項は他の部分より詳しく説明した。また、最近の形態学の傾向として生体の機構と関連を持たせた「機能解剖学」の関心が高くなっている。この観点からも、本書は微細構造の記述を充実して配慮を払ってある。
時代の進展に伴い、大学の教科の内容も変化して時代の要求に対応して行かねばならないのは当然であろう。教材としての獣医解剖学書の内容も、また獣医解剖学の教育体系にも時代的な変革が求められてきた。欧米諸国においても獣医学に対する社会的要求は大きく変動してきている。重要な対象動物として以前は産業動物が主流であったが、その重要性は変わらぬまま、近年は伴侶動物、または実験動物その他の小動物に関する知識と技術が求められるようになってきた。
本書の課題として小動物、特に犬・猫の記述を出来るだけ多く取り入れることも計画され、犬・猫の解剖学に関する記述を取り入れることに努力した。既刊の成書も参考にして補完を期した。この結果、改著では補足的記述ですましてきた犬・猫の記述をかなり充実させている。
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