目次
(総論)
1章 野菜の生産と消費の動向
2章 野菜の用途・成分・機能性および安全性
3章 野菜の種類と分類
4章 品種生態と作型
5章 野菜の育種
6章 種子の特性と育苗
7章 養水分・土壌管理
8章 園芸資材の種類と利用
9章 施設環境制御
10章 養液栽培
11章 収穫後の取扱い・出荷・流通
12章 機械化・省力化
13章 除草剤・生育調節剤の利用
14章 病害虫防除
15章 環境保全
(各論)
1章 ウリ類
2章 ナス類
3章 その他果菜類
4章 マメ類
5章 塊根類
6章 直根類
7章 菜類
8章 生菜および香辛菜類
9章 柔菜類
10章 ネギ類
11章 その他の野菜
付表、索引
説明
本書の前身、`蔬菜園芸ハンドブック’は、1963年刊行以来、広く教育・研究・技術普及等の関係者に利用されてきた。
1982年に至り、再三に及んで行われた部分的な改修・補・では、歳月の経過に伴う、品種・資材などの改良・開発に対応し得ないと考えられたので、抜本的な改訂を行うことになり、書名を`野菜園芸ハンドブック’と改め、新版が刊行された。
以後も本書は、数回にわたって記述内容の拡大・充実が行われたが、1987年には、各種統計数値や品種・資材機具などを、可及的野菜生産の現状に即したものに改める大改訂が行われ、別書ともいえる内容で、第4版が刊行された。
その後も本書は、重版の度毎に、可能な限りの改訂作業が加えられ、2000年には、第9版が刊行されるに至ったが、その時点で、名称を改めて以来二十年近くが経過し、生産現場における技術の内容も、大幅に進歩して、本書の記述内容にも、根本的な修正が必要と考えられるようになったので、新世紀に向け、大幅な改版を行うことになった。
出版に当たって、まずハンドブック出版の目的と性格については、品種・栽培技術の評価を正確に行うことで、流行的でない、正統な技術'を確立し、その基礎となった科学的事実を、
偏りない正史’として普及することが、ハンドブックの使命であるとして、新版の内容については、この趣旨にそって項目の選定と執筆者の依頼を行い、総数110名に達することとなった。
野菜の生産・流通に対して、画期的な影響を及ぼした事例として、(1)関東大震災後に本格化した、鉄道等輸送機関の利用(1923年)、(2)第二次世界大戦後のプラスチック利用施設園芸の発展(1951年)、そして(3)20世紀の終局に始まった電脳社会'の拡大などを挙げることができるが、その結果、1998年には、
農産物総産出額’に占める野菜の割合が26.3%に達し、同年の米(25.6%)、畜産物(24.4%)のそれを、有史以来初めて凌駕するにいたった(果実9.0%、花き4.1%)。これらの数字は、もとより生産物の優劣を示すものではないが、我が国農業生産の推移・変貌と、21世紀の将来像を、示唆するものということができる。
本ハンドブックは、野菜園芸の発展に寄与した技術の科学的根拠を、品種・機械機器・施設'の発達を踏まえて明らかにし、他方、
土壌・肥料、病害虫防除、流通・販売’など部門の発展を含め、`偏りない正史’として紹介し、広く提供することを図ったものであって、生産者を始めとし、学生・研究者・生産関係技術者および普及・流通関係の方々に、活用されるはずである。
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