目次
口絵
季節の花〔164〕-11月の花
ペトロコスメア・ミノール,ヒゴギク,アキメネス,ニジガハマギク,ポルテア・アラティセパラ,トキワマユミ(実)
元 島根大学 生物資源科学部
細木高志
当面の話題
迷走する世界のエネルギー戦略
編集部
論説・総説・資料・実用
屋上菜園でのハーブ類の生育に関する研究
園芸研究家
三浦周行
日本学術会議農学委員会・食料科学委員会の変遷と今後の発展
九州大学名誉教授
日本学術会議連携会員
真木太一
畜産環境問題と研究動向-日本畜産環境学会第21回大会について-
新潟食料農業大学 食料産業学部
中井 裕
イチゴの短縮茎はなぜ伸びない-GA3施与による内生植物ホルモンの変動-
新潟大学農学部
児島清秀
佐藤愛結
「穂揃い期の,生理生態学的・作物栽培学的生産構造」の把握法,とくに,その構造の「作図のしかた」
秋田県立大学名誉教授
川島長治
連載記事
ダイコンのオグラ型細胞質雄性不稔と稔性回復遺伝子の複雑な対応関係〔5〕
オグラ型とは異なるCMS
京都産業大学名誉教授
山岸 博
縄文人の生活~その衣食住を探る~〔2〕
縄文人が利用した衣食住向けの植物
元大阪府立大学大学院教授
樽本 勲
温暖地の大豆作における帰化アサガオ類防除技術に関する研究
第1報:大豆の葉齢進展モデルを活用した多筆分散圃場における帰化アサガオ類の適期防除
農研機構西日本農業研究センター兼植物防疫研究部門
浅見秀則
移行期の乳牛の管理〔5〕
5.乳牛の栄養と飼料(Nutrition and feeding of dairy cattle)
信州大学名誉教授
辻井弘忠
ジャック・ハーラン著「Crops and Man(作物と人間)」第3版
栽培植物と人間の共進化について伝えるもの[23]
第10章 極東
浜松ホトニクス株式会社
中川 仁
農界ニュース
説明
新連載
温暖地の大豆作における帰化アサガオ類防除技術に関する研究
きれいなのに厄介な雑草、帰化アサガオの防除法とは?
南北アメリカ大陸から侵入した野生のアサガオが、全国に広がっています。道端や空き地で生えている限りでは「小さくて可愛らしいアサガオ」で済みますが、農地で生えると厄介な雑草になってしまいます。全国の大豆畑で厄介者として注目されている野生のアサガオの防除技術を、3回の連載で紹介します。
第1報:大豆の葉齢進展モデルを活用した多筆分散圃場における帰化アサガオ類の適期防除
帰化アサガオの防除法は除草剤が中心だが、完全に枯死させることは難しいため、生育時期に合わせた散布が必要である。また、経営規模の拡大や労働力不足、農地の分散などにより、省力的な技術体系および作業計画が求められている。大豆の葉齢進展モデルに基づく除草剤体系処理の効果を大規模農業法人で調査した。モデルによる大豆の葉齢推定は防除適期を推定する上で実用可能と考えられた。
推定した防除適期に基づいて薬剤散布が実施できた圃場では、マルバルコウおよびマメアサガオが不適期に実施した圃場と比較して減少する傾向が認められた。しかし天候不良等による作業遅延のため、多くの圃場で適期散布ができず、全体では本除草剤体系処理の実施前と比較して明瞭な減少は認められなかった。特にマメアサガオはマルバルコウと比較して葉齢進展速度が速く、防除適期が短い傾向であり、除草剤による防除は難度が高いと推察された。
作業計画に関しては、播種や除草剤散布の作業能率から除草剤3回処理体系を全圃場で実施可能である。しかし、大豆では梅雨時期の作業が多く、計画どおりの適期散布が実施できた圃場は少なかったことから、雨による作業の遅れを考慮したプログラムの活用が望まれる。また、本研究におけるマメアサガオのように、生育が早く防除が困難な草種の防除作業を優先すべきである。本研究で用いた以外の薬剤を組み入れた新たな防除体系も今後期待される。
農研機構西日本農業研究センター
兼植物防疫研究部門
浅見秀則
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