目次
展望・総説・総論
円柱の渦励起振動と流体力(2)
直列2円柱と並列2円柱の振動
日本大学 理工学部 海洋建築工学科 特任教授
近藤典夫
複合材料の力学入門(8)
拓殖大学 名誉教授
笠野英秋
連載講座
生体機械工学(13)
細胞の配列組織化度の計測
工学院大学 工学部 機械工学科 教授
橋本成広
カルマンフィルタとその周辺および応用(26)
非カルマン逐次フィルタと歴史的考察(2)
Director of Bull Run Signal–Image Res. Lab.
大西勝巳
立命館大学理工学部 名誉教授
杉本末雄
植物の葉や花に関する力学的研究(17)
波板状に折り畳まれた樹木の葉の展開特性
(株)衝撃工学研究所 執行役員
大阪大学 名誉教授
小林秀敏
機能材料と構造の力学(9)
強弾性材料の力学
東京科学大学 工学院 教授
荒木稚子
特別講座:機械系大学院入試問題演習
(52)「機械力学:東京工業大学2023年夏季実施より」
神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦
編集部だより「工学書・研究論文の執筆に必要な知識とスキル」
編集部
歴史に学ぶ「機械の研究」
第 10 巻 第 11,12 号 掲載 「転位ねじ歯車の噛合」
編集部
工学・工業界ニュース
説明
巻頭記事
円柱の渦励起振動と流体力(2)
直列2円柱と並列2円柱の振動
前稿で、単一円柱を対象にした流力振動現象について報告した。本稿は直列と並列にそれぞれ配置された2円柱の流力振動について報告する。
水や空気などの流れのなかに置かれた複数の静止した構造物では、その配置に依存して、流れ性状あるいは作用する流体力は大きく変化するということがしられている。直列2円柱の場合は、2円柱の中心間距離\(S\)が\(3.5D\text{~} 4.0D\)(\(D\)は円柱の直径)で、直列2円柱に作用する抗力係数が急激に変化することが、Okajima、Igarashi、Alam et al.などによる多くの実験的研究によって報告されている。このような中心間距離\(S\)を臨界間隔という。
一方、並列2円柱では中心間距離\(T\)が\(1.1D\;\text{~}\;2.5D\)の範囲で、「偏り流れ」になることがZdravkovichやAlam et al.などよって報告されている。Kondo and Matsukumaは、それぞれ直列2円柱と並列2円柱まわりの流れの3次元計算をおこない、上記の実験と同様な流れ現象を数値的に再現している。
このような直列2円柱や並列2円柱に関しては、さまざまな実験的研究や数値的計算が報告されている。本稿は直列2円柱と並列2円柱のそれぞれの間隔が狭い場合の流力振動性状について報告する。
日本大学 理工学部 海洋建築工学科 特任教授
近藤典夫
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