機械の研究 2024年9月1日発売 第76巻 第9号

2,970 (税込)

本誌「機械の研究」は、1949年(昭和24年)、それまでの
機械工学の概念を脱却して、工学・工業の一環としての機
械工学に関する新しい研究と技術の進歩を提供する事をそ
の主眼に創刊した月刊誌です。工学全般・工業に関連した
研究分野において、最新かつ重要な学理および興味深い研
究成果を平易に解説しています。

在庫あり

判型 B5判
発行日 2024/09/01
JAN 4910028170943
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目次

展望・総説・総論

切削加工面の表面軟化現象とその機構
―切削温度ならびに切削抵抗からのアプローチ

岡山理科大学 工学部
機械システム工学科 名誉教授
金枝敏明

複合材料の力学入門(7)

拓殖大学 名誉教授
笠野英秋

連載講座

機能材料と構造の力学(8)
周期セル構造体の力学

東京理科大学 工学部 教授
牛島邦晴

生体機械工学(12)
細胞に対する磁場刺激
―交番磁場刺激による筋芽細胞の付着制御

工学院大学 工学部 機械工学科 教授
橋本成広

機械構造用金属材料の超高サイクル疲労(61)

立命館大学 名誉教授
酒井達雄

カルマンフィルタとその周辺および応用(25)
非カルマン逐次フィルタと歴史的考察(1)

Director of Bull Run Signal–Image Res. Lab.
大西勝巳

立命館大学理工学部 名誉教授
杉本末雄

特別講座:機械系大学院入試問題演習

(51)「機械力学:東京工業大学2023年夏季実施より」

神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦

一杯のコーヒーから(211)

社会デザイン その9 ― Social Emotion

元 Consulting Prof., Stanford Univ
慶應義塾大学 (顧問)
福田収一

歴史に学ぶ「機械の研究」

第 46 巻 第 7 号 掲載「窒化珪素研削加工の実験とシミュレーションによる検討 ―品質工学の適用―」

編集部

工学・工業界ニュース

説明

巻頭記事
切削加工面の表面軟化現象とその機構
―切削温度ならびに切削抵抗からのアプローチ

筆者は、数種の金属切削において切削油剤の効果である塗布効果についてその発生条件や機構について解説してきた。その発生のキーポイントの1つに切削前加工面の硬さ分布がある。塗布効果の存在を各種金属で調査したところ、塗布効果を発現する金属ではその硬さの分布に特徴的な分布があることが見出された。

一般に切削加工面の硬さ分布は、表面が硬く、内部に入るにしたがって硬さが低下すると認識されているが、筆者の研究によれば、ある種の金属をある切込み以上で切削加工すれば、通常では想像しにくい加工表面軟化現象が発生する。金属学分野での専門用語の「加工軟化」は、高純度Al(99.99%)を圧延によって強加工した際に認識された現象で、一度加工したのちに再度加工すると変形応力が低下する(軟化)ものである。

一方、ここで取り扱うのは従来の知識でもって判断すれば、切削加工表面が加工面内部より硬さが大きいと想定されるのに、内部より硬さが小さい現象である。研削ではみられる現象だが、切削でこの現象を取り扱った研究は、現在のところ筆者のもの以外見当たらない。そこで今回その発生条件ならびにその機構について、解説する。

岡山理科大学 工学部
機械システム工学科 名誉教授
金枝敏明

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