機械の研究 2022年8月1日発売 第74巻 第8号

2,750 (税込)

本誌「機械の研究」は、1949年(昭和24年)、それまでの
機械工学の概念を脱却して、工学・工業の一環としての機
械工学に関する新しい研究と技術の進歩を提供する事をそ
の主眼に創刊した月刊誌です。工学全般・工業に関連した
研究分野において、最新かつ重要な学理および興味深い研
究成果を平易に解説しています。

在庫あり

判型 B5判
発行日 2022/08/01
JAN 4910028170820
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目次

展望・総説・総論

固有振動数成分除去法による残留振動抑制とそのロバスト性の向上

九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 准教授
森 博輝

神奈川大学 工学部 機械工学科 助教
栗原 海

九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 助教
宗和伸行

九州職業能力開発大学校 校長(九州大学 名誉教授)
近藤孝広

固有振動モードの逆解析による損傷同定

明治大学 理工学部 機械工学科 准教授
齋藤 彰

連載講座

繊維強化複合材料の損傷を考慮した力学解析(3)
積層板におけるクラック発生予測

東北大学 大学院工学研究科 助教
南雲佳子

九州大学 大学院工学研究院 助教
小野寺壮太

東北大学 大学院工学研究科 教授
岡部朋永

カルマンフィルタとその周辺および応用(4)
確率統計の基礎知識(3)

立命館大学 名誉教授
杉本末雄

植物の葉や花に関する力学的研究(6)
サクラの葉にみる葉脈配置と葉身V字構造

(株)衝撃工学研究所 執行役員
大阪大学 名誉教授
小林秀敏

CFDの基礎講座(追補5)
「現代制御理論への入門」時間領域の最適制御に向けて(1)

慶應義塾大学 名誉教授
棚橋隆彦

脱炭素社会を実現するための材料複合化技術(8)
長大化を目指す橋梁の発展 その2

一般財団法人 航空宇宙技術振興財団 評議員
伊藤義康

新しいエネルギー基本計画と近年の台風災害の考察(4)
近年,特に2019年 台風15号,19号被災状況概報

明治大学 理工学部 客員研究員
飛田春雄

コラム:一杯のコーヒーから(187)

日本とアメリカ

Stanford University visiting professor
慶應義塾大学 顧問
福田収一

特別講座:機械系大学院入試問題演習(22)

材料力学:東京大学2021年夏季実施より

神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦

新刊紹介

信頼性物理 : 物理・化学モデルに基づく信頼性検証技術
門田,靖,1959- 藤本,直伸,1955- 木村,忠正,1943-
出版社:日科技連出版社
定価:4,700円+税
発売日:2024年11月15日
ISBN:978-4-8171-9759-7

工学・工業界ニュース

説明

記事ピックアップ
巻頭記事「固有振動数成分除去法による残留振動抑制とそのロバスト性の向上」

物流の増加や限界設計による機械の柔軟化が進むなか、クレーン搬送やロボットアームのような多自由度劣駆動系では残留振動を抑えた高速位置決めが課題となる。

なかでも、クレーン搬送に関しては熟練作業者の減少、安全性向上、作業効率化への対応を目的として、自動運転に関する研究が多くおこなわれている。

一般に、クローズドループ制御はモデル化誤差、非線形性の影響、外乱といった制御性能の低下要因に対するロバスト性が高く、クレーン搬送に限定してもPID制御やスライディングモード制御など多くの手法が提案されている。ただし、センサーの設置などによりシステムの高コスト化・複雑化が問題となる場合がある。

一方、オープンループ制御では非線形性やパラメータの時間変化をあらかじめ考慮した制御入力が必要となるほか、モデル化の際に不可避的に含まれるパラメータ誤差(モデル化誤差)の影響を補償できない実用面の弱点がある。その反面、低コスト化の利点を有することから、これらの問題点の克服を図る研究がおこなわれている。

著者らも、クレーンの残留振動の抑制を目的としてオープンループ制御系統の手法である固有振動数成分除去法を開発し、非線形系への適用やモデル化誤差に対するロバスト性の向上に取り組んできた。

そこで本稿では、代表的なオープンループ型残留振動抑制法の現状と課題についてごく簡単に述べた後、固有振動数成分除去法の概要と特長について紹介する。

九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 准教授
森 博輝

神奈川大学 工学部 機械工学科 助教
栗原 海

九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 助教
宗和伸行

九州職業能力開発大学校 校長(九州大学 名誉教授)
近藤孝広

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