機械の研究 2022年5月1日発売 第74巻 第5号

2,750 (税込)

本誌「機械の研究」は、1949年(昭和24年)、それまでの
機械工学の概念を脱却して、工学・工業の一環としての機
械工学に関する新しい研究と技術の進歩を提供する事をそ
の主眼に創刊した月刊誌です。工学全般・工業に関連した
研究分野において、最新かつ重要な学理および興味深い研
究成果を平易に解説しています。

在庫あり

判型 B5判
発行日 2022/05/01
JAN 4910028170523
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目次

巻頭連載

CISSにおけるシミュレーションソフトウェア開発と利用(8)
深層学習モデル活用によるナノ材料シミュレーション

東京大学 大学院 生産技術研究所
溝口照康
梅野宜崇

展望・総説・総論

広範囲の寸法の表面き裂の直流電位差法評価(2)

電子磁気工業(株) 顧問
東北大学 名誉教授
坂 眞澄

電子磁気工業(株) 開発部 次長
岩田成弘

電子磁気工業(株) 代表取締役
児島隆治

連載講座

新しいエネルギー基本計画と近年の台風災害の考察(1)
新しいエネルギー基本計画の概要

明治大学 理工学部 客員研究員
飛田春雄

カルマンフィルタとその周辺および応用(1)
カルマンフィルタとは

立命館大学 名誉教授
杉本末雄

CFDの基礎講座(追補2)
変分法と最小作用の原理の応用

慶應義塾大学 名誉教授
棚橋隆彦

機械構造用金属材料の超高サイクル疲労(44)
6. VHCF-2~VHCF-4の10年間の研究動向(24)

立命館大学 名誉教授
酒井達雄

脱炭素社会を実現するための材料複合化技術(5)
セラミックス基複合材料(CMC)と耐環境コーティング(EBC)その2

一般財団法人 航空宇宙技術振興財団 評議員
伊藤義康

特別講座:機械系大学院入試問題演習(18)

オイラーの運動方程式の優しい導出について(4)

神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦

コラム:一杯のコーヒーから(184)

Natural Intelligence その5「PerformanceからBenefitへ」

Stanford University visiting professor
慶應義塾大学 顧問
福田収一

新刊紹介

ピーブルス先生の量子力学
Peebles,P.J.E.(PhillipJamesEdwin) 二間瀬,敏史,1953-
出版社:丸善出版
定価:5,400円+税
発売日:2024年11月15日
ISBN:978-4-621-30707-6

工学・工業界ニュース

説明

記事ピックアップ
「カルマンフィルタとその周辺および応用(1)」

今月号からカルマン フィルタとその周辺(統計学的検定・推定論なども含む)、および幅広い応用についての講座を開始する。

カルマン フィルタは、1960年、米国機械学会(ASME:American Society Mechanical Engineers)に発表された論文が出発点になっている。カルマンフィルタは、アポロ計画のための月面無人探索衛星(ルナ・オービター)の軌道決定に直ちに応用され、人類を初めて月面に到着させるというアポロ計画の偉業の一部を担い、大きなインパクトを与えた。

著者のルドルフ・カルマン(Rudolf Emil Kalman、1930年5月19日~2016年7月2日、享年 86歳)はハンガリー系(ブダペストで誕生)アメリカ人であり、1953年、1954年、マサチューセッツ工科大学(MIT)にて電気工学の学士号、修士号を取得。1957年、コロンビア大学にて博士号(Ph.D)を取得。「信号の推定と予測問題」をテーマにした、原論文は、電気工学系(たとえばIEEE:Institute of Electrical and Electronic Engineers)の論文誌ではなく、機械工学系である、米国機械学会(ASME:American Society of Mechanical Engineers)に掲載された(末尾の「コラム 1.1」を参照)。

本稿は連載講座の最初ではあるが、まず理解の対象となる、カルマンフィルタとは何かについて、証明・導出なしで示し、今後、このカルマンフィルタの数式の意味の理解と、その導出を当面の目標とする。その目標のため、関連する確率統計(特に統計学的検定・推定論)、線形代数学、システム論などの基礎については、引き続く連載講座で、なるべく平易に順次、解説する予定である。また、カルマンフィルタの主な目的の1つは、確率制御系の設計問題であり、特に制御理論では最も汎用性・適用性が高い、正規性雑音の混入する、線形系に対する2次形式の評価規範のもとでの設計問題:線形2次ガウシアン(LQG Problem:Linear Quadratic Gaussian Problem)の設計問題についても解説する。

立命館大学 名誉教授
杉本末雄

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