目次
連載講座
植物の葉や花に関する力学的研究(10)
キュウリの体を支える巻きひげの力学的役割 その2
(株)衝撃工学研究所 執行役員
大阪大学 名誉教授
小林秀敏
カルマンフィルタとその周辺および応用(12)
未知バイアスをもつ観測値に対する逐次フィルタ
大阪大学大学院工学研究科 特任准教授
和田光代
立命館大学 名誉教授
杉本末雄
応用力学基礎講座(5)
力学理解のための3次元テンソル解析
慶應義塾大学 名誉教授
棚橋隆彦
機械構造用金属材料の超高サイクル疲労(53)
7. VHCF-5~VHCF-7の10年間の研究動向(6)
立命館大学 名誉教授
酒井達雄
コラム:一杯のコーヒーから(195)
激変した最近の内外の学会
元 Consulting Prof., Stanford Univ
慶應義塾大学 顧問
福田収一
特別講座:機械系大学院入試問題演習
(33)材料力学:東工大2021年夏季実施より
神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦
新刊紹介
川田,昌克,1970- 西岡,勝博,1945-2014
出版社:森北出版
定価:2,700円+税
発売日:2024年12月21日
ISBN:978-4-627-91722-4
編集部だより「Wordで書く数式」
歴史に学ぶ「機械の研究」―第30巻 第1号 掲載 特集 「最近の機械設計」
工学・工業界ニュース
説明
連載講座「植物の葉や花に関する力学的研究」
キュウリの体を支える巻きひげの力学的役割 その2
キュウリの巻きひげのような反転ら旋構造には、ばね部中央に巻き方向が反対になる反旋部があり、その反旋部は、通常負荷が作用するばね両端から独立して自由に回転できる状況であるがゆえに、両端に引張り負荷を受けると、小さい引張負荷の範囲であれば、巻き込みがより強固になる、つまり ら旋を締める方向に回転し、その現象の大きさは素線材の剛性比が小さいほど大きいことがわかった。
キュウリの巻きひげの反転ら旋構造には、もちろん、ら旋部形成時の必然性(最初に巻きひげの先端部が外部の支持構造に巻き付いて固定した後、巻きひげの根元と先端の中間部から、自らの体をねじって ら旋部を形成するために、例外なく右巻と左巻が連なった状態になること)という大きな形成要因もあるけれども、結果として生じた反転ら旋構造が、剛性比の巧みな選択により、ある程度以下の引張負荷であれば、ばね部がより強固になるように回転して自動的に外的負荷に対する抵抗力を高める極めて巧みな構造であることが明らかになった。改めて、自然の巧みさにただただ脱帽するばかりである。自然は実に素晴らしい!
(株)衝撃工学研究所 執行役員
大阪大学 名誉教授
小林秀敏
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