目次
展望・総説・解説
リーマン多様体上の最適化法の制御工学への応用
東京大学大学院 情報理工学系研究科
佐藤一宏
血腫溶解用マイクロ撹拌カテーテルの開発
山口大学 大学院創成科学研究科 准教授
森田 実
連載講座
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酒井ねじ締結相談室 室長 工学博士
日本機械学会フェロー
酒井智次
サウンドデザイン論(8)
音をデザインし製品価値を高めるには
広島市立大学 教授
石光俊介
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旋削加工の基礎技術(4)
ものづくり人材育成塾 難削材切削技術研究所
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再生可能エネルギー(水力発電)の課題と展望
トーカロ株式会社 顧問
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産業安全工学(28)
人間工学とアクセシブルデザイン
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CFDの基礎講座(25)
巨視的バランスと微視的バランス その2
慶應義塾大学 名誉教授
棚橋隆彦
コラム:一杯のコーヒーから(157)
出張で知るアメリカの現状
Stanford University visiting professor
慶應義塾大学 顧問
福田収一
新刊紹介
工学・工業界ニュース
説明
巻頭記事「リーマン多様体上の最適化法の制御工学への応用」
制御工学の主要な目的は
「制御対象に適切な入力を加えて所望の出力を実現すること」である。
この目的を達成するために、システム同定・モデル低次元化・制御器設計の3つが主要な問題となることが多い。
システム同定とは物理法則や実験データを用いて制御対象の数理モデルを構築することであり、制御器設計は適切な入力を求めることである。制御器設計はシステム同定によって得られた数理モデルを利用しておこなうが、数理モデルが複雑になるほど難しくなる。複雑な数理モデルを単純化するのがモデル低次元化であり、多くの場合、システム同定の後にモデル低次元化をおこなう必要がある。
筆者は上述の制御工学の3つの主要問題に対して「リーマン多様体上の最適化法」を用いた研究をおこなってきており、成果を得ている。「リーマン多様体上の最適化法」とは、リーマン多様体上の最適化問題を解くための方法のことである。すなわち、最適化すべき変数がリーマン多様体上に拘束されるという制約のもとで、ある目的関数を最小化(あるいは最大化)する問題を解くための方法が「リーマン多様体上の最適化法」である。
本稿では「リーマン多様体上の最適化法」がモデル低次元化という制御工学で重要な問題を研究する際にどのように役立つかということを解説する。なお、で紹介するリーマン多様体上の最適化法は、既存法とはかなり異なるモデル低次元化法であることに注意したい。
東京大学大学院 情報理工学系研究科
佐藤一宏
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