目次
展望・総説・総論
接着継手の破壊力学(1)
モードⅠおよびⅡ荷重下の破壊じん性値の評価
大阪教育大学 名誉教授
今中誠
大阪教育大学 理数情報教育系 准教授
成田一人
元・大阪大学 産業科学研究所 特任助教
石名敏之
連載講座
生体機械工学(5)
マイクロマーカーマトリクスによる筋管収縮計測
工学院大学 工学部 機械工学科 教授
橋本成広
自然環境と再生可能エネルギー(8)
金属薄板の建材への適用について(その2)―耐久性評価とFEMによる調査・検証概括
明治大学 再生可能エネルギー研究インスティテュート 客員研究員
飛田春雄
植物の葉や花に関する力学的研究(14)
モミジの葉の折畳み構造とその展開特性
(株)衝撃工学研究所 執行役員
大阪大学 名誉教授
小林秀敏
カルマンフィルタとその周辺および応用(21)
\(H^\infty\) フィルタ(3)
大阪大学大学院工学研究科 特任准教授
和田光代
立命館大学 名誉教授
杉本末雄
応用力学基礎講座(14)
CubicDEL法とFPGAによる並列化
慶應義塾大学 名誉教授
棚橋隆彦
光ファイバー型赤外線輻射温度計の設計製作から計測まで(9)
エンドミル加工温度の測定例
金沢大学 名誉教授
上田隆司
機械加工における雰囲気が加工現象に及ぼす影響(10)
レビンダー効果やロスコー効果などの4つの効果
岡山理科大学 工学部
機械システム工学科 名誉教授
金枝敏明
特別講座:機械系大学院入試問題演習
(43)機械力学:東京工業大学2022年夏季実施より
神奈川大学 名誉教授
伊藤勝悦
新刊紹介
野口,博司,1946-
出版社:森北出版
定価:2,700円+税
発売日:2024年12月21日
ISBN:978-4-627-08271-7
工学・工業界ニュース
説明
巻頭記事
接着継手の破壊力学(1)
「モード Ⅰ および Ⅱ 荷重下の破壊じん性値の評価」
最近、機械構造物の軽量化に対応するため、鋼板の薄肉化やアルミニウム合金さらにはCarbon Fiber Reinforced Plastics(CFRP)やGlass Fiber Reinforced Plastics(GFRP)といった素材の活用が必要となっている。このような素材の接合には接着接合が有効であり、接着強度の信頼性評価に対する関心が高まっている。
接着継手の強度評価には日本産業規格(JIS)や米国材料試験協会(ASTM)で規定された重ね合わせ継手の引張試験のような欠陥のない継手の強度試験結果が採用される場合が多いが、実際の接着継手では、接着時に未接着部などの欠陥が生じる場合があり、欠陥をもつ継手の強度評価も接着継手の信頼性を保障するためには必要である。
欠陥がき裂である材料に対しては、破壊力学による強度評価が求められる。接着継手の破壊力学に関する初期の研究として、米国では1970年代の初頭に、Riplingらにより、静的な破壊じん性試験がおこなわれ、1980年代後半には、JohnsonやMallらが疲労き裂伝播に関する一連の研究を実施している。英国においては1980年代よりKinlochらが、破壊じん性や疲労き裂伝播実験を始めており、国内では、1980年代後半より、結城らや藤井らにより接着継手の破壊じん性や疲労き裂伝播試験がおこなわれた。2000年以降、この方面の研究はさらに活発になっている。最近、延性接着剤により接合された構造物の強度推定において有力視されているCohesive Zone Model(CZM)を適用するために必要な粘着要素のパラメータ推定にも破壊じん性値が必要となり、破壊じん性評価の必要性は益々高まっている。
本号から3回にわたり、接着継手の破壊力学試験方法ならびに破壊じん性の評価方法について解説する。本号では第1回目としてもっとも基本的なモードⅠおよびⅡ荷重下の破壊じん性試験とその評価方法について説明する。
大阪教育大学 名誉教授
今中誠
大阪教育大学 理数情報教育系 准教授
成田一人
元・大阪大学 産業科学研究所 特任助教
石名敏之
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