大気環境変化と植物の反応

5,500 (税込)

大気汚染や環境変化による植物の生理・生態的な影響、植物による大気の浄化能の評価法を解説。

在庫あり

カテゴリー: ,
編著者:
判型 A5判
第1版
ページ数 391
発行日 2001/06/20
ISBN-13 978-4-8425-0079-9 C3061
ISBN-10 4-8425-0079-4
JAN 1923061050007
Yahoo!ショッピング でのお取り扱いについてはお問い合わせください。
Amazon紀伊國屋書店セブンネットショッピング
図書館: カーリル
※当サイトの書影データはご自由にお使いください。
書影のダウンロード: メイン画像

目次

1章 大気汚染による植物被害の変遷
 1.江戸時代・明治時代の鉱山周辺の二酸化イオウによる煙害
 2.大正・昭和前期における煤塵・二酸化イオウによる都市型大気汚染
 3.戦後の経済成長期以降の工場周辺のさまざまな大気汚染物質
 4.安定経済成長期の都市・生活型の広域大気汚染
 5.地球規模の大気環境問題
2章 大気汚染物質と大気質の変化
 1.大気汚染物質の動態
 2.地球規模大気質の変動)
3章 二酸化イオウによる植物被害
 1.被害症状
 2.被害の発生と二酸化イオウ濃度
 3.二酸化イオウの作用メカニズム
4章 光化学オキシダントによる植物被害
 1.オゾン
 2.パーオキシアセチルナイトレート
5章 窒素酸化物による植物被害
 1.被害症状、被害の発生とNO濃度
 2.二酸化窒素の作用メカニズム
6章 大気環境の悪化を警告する指標植物
 1.二酸化イオウの指標植物
 2.フッ化水素の指標植物
 3.エチレンの指標植物
 4.オゾンの指標植物
 5.PANの指標植物
 6.指標植物法が目指すもの
7章 酸性雨による農作物被害
 1.被害症状
 2.農作物の生長・収量への影響
 3.酸性雨による土壌の酸性化と炭酸カルシウムによる中和
8章 森林衰退
 1.森林衰退の現状
 2.森林衰退の原因仮説
 3.日本における森林衰退に関する野外調査
 4.日本における森林衰退の原因仮説の検証
 5 おわりに
9章 地球温暖化の植物への影響予測
 1.温暖化のメカニズム
 2.温室効果ガス
 3.温暖化の将来予測
 4.温暖化による農業生産への影響
 5.新たな気候変化シナリオに基づく影響評価
 6.森林生態系への影響
 7.残された問題
10章 紫外線増加に対する植物の反応
 1.オゾン層の形成と生物の進化
 2.生体物質への影響
 3.植物に対するUV‐Bの影響
 4.紫外線増加が農作物の生長・収量への影響
 5.樹木と各種生態系へのUV‐Bの影響
 6.UV‐Bが生態系に及ぼす間接的な影響
 7.競合バランス
 8.おわりに
11章 大気-植生-土壌系における二酸化炭素交換
 1.植物の二酸化炭素交換に関わる生理機構
 2.大気-植生-土壌系の二酸化炭素交換
 3.植物と環境との二酸化炭素交換に関するモデル
 4.大気-植生-土壌系の二酸化炭素交換モデルの例
12章 水田・湿地からのメタン発生
 1.水田・湿地におけるメタンの生成および分解
 2.大気への放出
 3.水田からのメタンの発生量
 4.水稲体内を介したメタン放出機構
 5.水田からのメタン放出に係わる要因
 6.水田におけるメタンフラックスおよび土壌水中のメタン濃度の季節変化
 7.水稲体内を介したメタン輸送モデル
 8.水田土壌内における気泡の存在が水稲を介したメタン輸送に影響を及ぼすか?
 9.おわりに
13章 植物の持つ大気浄化機能
 1.植物のガス交換機能
 2.沈着速度と沈着量評価
 3.植物生産量を利用した植物の大気浄化能の評価
 4.おわりに
索引

説明

今、地球には約30万種の植物と100万種を越す動物とが、多様で豊かな生命活動を行っている。しかし、近年、誕生してからまだ500万年ほどにしかならない人類が、自らの生命活動により、地球環境に大きなインパクトを与え、地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨や砂漠化などという地球環境問題を引き起こし、地球上の全生物の将来に不安の影を落としつつある。特に、植物は地球の中で基礎生産を担っており、健全な植物の生育なくしては、地球の生命を維持することはできない。本書は、産業公害型の大気汚染物質、地球環境問題である酸性雨、オゾン層破壊や温暖化などの大気環境の変化と、それが植物に及ぼす影響を理解することを目的として編集された。大気汚染物質として主要な二酸化イオウ、窒素酸化物、光化学オキシダント、酸性雨がどのような仕組みで植物に障害を与えるのか、また、植物はそれらの大気汚染物質に対し、どのように自らを防御しているのかを生理生化学的な面から眺めて概説している。また、現在、社会的関心を集めている森林衰退の原因を実態調査や各種の実験結果から探った。一方、大気大循環モデルから予想される温暖化シナリオから将来予想される大気環境変化による植物への影響予測、オゾン層破壊に伴う紫外線増加が引き起こす農作物の生育・収量影響や陸域生態系への影響など地球環境変化がもたらす植物への影響について最新の情報を含めて解説している。本書は、現在直面している大気環境問題を理解するための手引きとなるものである。

レビュー

レビューはまだありません。

“大気環境変化と植物の反応” の口コミを投稿します

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です