目次
はじめに
猫と仲良くなろう・・・どれだけ友達になれるか,それが問題だ!
Ⅰ 猫と人の関係を考える ─ 猫と人のより良い関係を作るために ─
1 人と猫との結びつき
2 猫の名前の由来と鳴き声
3 猫にまつわる格言,諺及び文学作品
4 猫と飼主
もっと猫を知る・・・深く知るということは多少内容が難しくなるということ
Ⅱ 猫の今と昔 ─ かわいい猫になるまでの遠い道のり ─
1 現在の猫
2 猫の歴史,遺伝ならびに品種
3 品 種
4 遺 伝
5 繁 殖
Ⅲ 猫の不思議 ─ 猫らしさの秘密は体の仕組みにあった!─
1 行 動
2 体の仕組み
大事な猫のために・・・猫を長生きさせよう
Ⅳ その食べ物で大丈夫? ─ 人と一緒じゃダメなんです ─
1 栄 養 素
2 ペットフード
3 キャットフード
4 ペットフードの法制化
Ⅴ 知らないと怖い病気 ─ 本当に「今日は元気がない」だけですか?─
1 腎泌尿器疾患
2 内分泌疾患
3 黄色脂肪症
4 心 疾 患
5 門脈体循環シャント(PSS)
6 感 染 症
7 歯周疾患(歯周病)
8 感染症の項のおわりに
参考文献
終わりに
説明
猫は謎めいていて,気心が知れずよそよそしく,着かず離れずなんとなく不可解でありその行動はなかなか把握できず誤解されたりしてきました.確かに猫は,犬ほど社交的ではなく尾を振り振りその気持ちを表現することは見られませんが,人との信頼関係を持った猫は,喉をゴロゴロ鳴らしながら幸せを確信して目を閉じてくつろぐこともあるのです.
その猫の祖先は,砂漠などの厳しい環境の下で独自の生理学的な進化をして生活をしてきました,それ故その環境に適応した生物学的な要求を身につけた果敢なハンターとして狩をしていた頃の肉食動物の特性を引き続き持っており,人に飼われている動物では最も野生に近い動物とも言われています.
しかし,現代の猫は,どんどん進歩,発展し砂漠から人の多く住む社会へ順応するようになり,飼育環境の向上に伴いより静かで穏やかな性格になり,共に暮らすのに適切な動物に変わったのです.そしてそのしなやかな容姿と気品ある足取りや仕草から魅力の片鱗を示し,1960年には20種類に過ぎなかった品種は,40年後の21世紀の現在では50種類以上と約3倍にも増えました.近年猫に関する学問・研究も目覚しく発展して急速な進歩を遂げ続けています.
一方,猫に関する基礎情報を網羅した書籍は少なく,断片的なマニュアル的なものが多いのは猫の基礎知識は勿論その文化,美しさを系統立てて結び付けて全体像を知りたい人々にはなんとなく物足りなく感じられているのではないでしょうか.
ともあれ,いまや猫の特性への理解は一段と深まりました.猫の世界においても「揺り篭から墓場まで」と幅広い対応が可能となり,もっと猫を知りたい,猫と仲良くなろう,どれだけ友達になれるか…と猫好きの人間の心を満足させる情報の収集が必要な時代になってきました.
そこで本書は最近の学問的な進歩の他に,猫について我々が知りたいという全体像をまとめ,猫と人との日常生活における様々な関わりを取り扱いました.きっと読者の方々の猫に関わる興味を満足できるものと確信いたします.
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