回転機械の振動 −基礎から現象解明へ−
 
 
 
矢鍋重夫・太田浩之・田浦裕生 共著
 
 

■本体価格 4,000円
■B5判 188頁
■発行年月  2015.10
■ISBN 978-4-8425-0537-4

 
 
■概略

  本書は、筆者らが大学で行ってきた研究や講義をまとめたもので、回転機械の振動にかかわる研究者や技術者、また、これから学ぼうとする方々の参考書である。


■解説

   日本の高度経済成長期に、蒸気タービン、ガスタービン、圧縮機、ポンプなどの回転機械(ターボ機械)を中心に大容量化、高速化、小型・軽量化が進み、これにともない様々な振動問題が発生した。一方、この時代、大型計算機の飛躍的な発展、パソコンの普及とその計算性能の向上、計算技術や振動計測・分析技術の進歩などによって、回転機械の振動問題の多くが解明されてきた。

 主要な研究課題としては、
 ①すべり軸受の動特性とロータのオイルホイップ
 ②弾性ロータの釣合わせ
 ③危険速度通過時のロータの振動
 ④有限要素法などを用いたロータ・軸受系の振動解析法
 ⑤モード解析
 ⑥ロータとステータの接触による振動
 ⑦翼・羽根車系の振動
 ⑧振動診断
 などが挙げられる。

 回転機械の分野に限らず、技術の進歩・発展を工学が後追いしている状況が長く続いているが、その時代、時代において、各専門分野に関する工学を体系的にまとめておくことは、その後に続く人たちにとって、それなりに役立つものと思われる。もとより、狭い専門分野であっても研究された範囲が膨大で、1冊の本でその全体を論じるのが困難な場合も多く、回転機械の振動に関して最近出版された著書では、いくつかの共通的な基本事項と振動事例を選択して論じている。
 本書は、筆者らが大学で行ってきた回転機械の振動やトライボロジーに関する研究や講義をまとめたものである。内容的には、回転機械の振動の一部しか扱っていないが、第3、7、8、9、10章などに他の著書には見られない特徴がある。通読していただければ、回転機械の振動問題の取り扱い方のひとつのスタイルが理解できると思う。なお、本文中の運動方程式の解の多くは市販の計算ソフトで計算している。主要な2個のプログラム例を付録に示した。本文はできるだけわかりやすく記述したつもりであるが、説明が上十分な点や誤りなどについては読者の叱正を請いたい。
 本書が、回転機械の振動にかかわる研究者や技術者、また、これから回転機械の振動を学ぼうとする方々の参考になれば、幸いである。

 
 
■要目
[目 次]

 第1章 序論

 第2章 基本ロータの上釣合いによる定常曲げ振動

 第3章 基本ロータの危険速度通過時の振動

 第4章 ロータ形状が曲げ振動に及ぼす影響

 第5章 ばねとダンパで支持した一様断面軸の曲げ振動

 第6章 有限要素法を用いたロータ・軸受系の振動解析

 第7章 すべり軸受で支持したロータの振動特性

 第8章 転がり軸受の振動

 第9章 歯車を含む回転軸系のねじり振動

 第10章 すきまや摩擦に起因する回転機械の振動

 付 録 計算プログラム(matlab)

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