北里大学農医連携学術叢書 第11号
農医連携論
― 環境を基とした農と医の連携 ―
 
 
 
陽 捷行 著
 
 
 

■定価 (2,800円+税)
■A5判 291頁
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■発行年月  2012.04
■ISBN 978-4-8425-0496-4

 
 
■概略

病気の予防、健康の増進、安全な食品、環境保全農業、癒しの農などの必要性を記述

 
 
■解説

 北里大学は、生命科学の探究をめざす学生が、環境を基盤として農医連携の重要性を認識することは、きわめて重要な事項と考え、平成19(2007)年4月に迎えた学生から「農医連携」に関わる教育を開始しました。医学部の1年生を対象に行う「医学原論」の一部、獣医学部の1年生を対象に行う「獣医学入門T」「動物資源科学概論T」および「生物環境科学概論T」の一部で講義が行われています。 また、平成20(2008)年の4月からは、一般教育部の教養演習で新たに「農医連携論」を開講し、医学部、獣医学部、薬学部、医療衛生学部、生命科学研究所などの教員がこの講義を分担しています。さらに、平成21(2009)年の後期から獣医学部動物資源科学科で「農医連携論」を開講しました。
 「農医連携」の講義では、農と医の歴史的な類似性、農医連携の重要性を主張した歴史的な人びと、農医連携の世界の動向、代替医療と代替農業、食事と体・心の健康、自然治癒力、農医連携の現代的課題など、さまざまな事象を学びます。その結果、環境を通した農と医に関わる現実を理解し、農医連携の科学の必要性を習得します。
 病気の予防、健康の増進、安全な食品、環境を保全する農業、癒しの農などのために、すなわち、21世紀に生きる人びとが心身ともに幸せになるために、農医連携の科学や教育の必要性は強調されてもされすぎることはないでしょう。
 上述した農医連携教育の一部を「北里大学農医連携学術叢書 第11号 農医連携論−環境を基とした農と医の連携−」と題して発刊したのがこの冊子です。環境を通した農と医の問題に対する新たな発想や示唆が、この冊子から生まれ、農医連携の研究と教育、さらには普及が少しでも進展することを期待しています。

 
 
■要目
[目 次]

 刊行にあたって

 第1章 序 論
   ・はじめに
   ・地球の悲鳴が聞こえる
   ・人類の課題
   ・分離の病
   ・農医連携の定義
   (言葉の散策):「言葉」と「散策」の語源
   ( コ ラ ム ):決河之勢(けっかのいきおい)

 第2章 歴史にみる農と医
   ・農学と医学の原点
   ・農と医の類似性
   ・農学と医学の共生
   (言葉の散策):医食同源
   ( コ ラ ム ):姿勢

 第3章 農医連携を心した人びと
   ・はじめに
   ・炎帝神農:古代中国(神話伝説:BC2700頃)
   ・ヒポクラテス:古代ギリシャ(BC460頃〜BC370頃)
   ・フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト:ドイツ(1796-1866)
   ・ユストゥス・フォン・リービヒ:ドイツ(1803-1873)
   ・北里柴三郎:日本(1853-1931)
   ・ルドルフ・シュタイナー:オーストリア帝国(1861-1925)
   ・新渡戸稲造:日本(1862-1933)
   ・アレキシス・カレル:フランス(1873-1944)
   ・アルバート・ハワード:イギリス(1873-1947)
   ・岡田茂吉:日本(1882-1955)
   ・吉岡金市:日本(1902-1986)
   ・アンドルー・ワイル:アメリカ(1942-現在)
   (言葉の散策):医(醫)は匚と矢と殳と酒(酉)から成立
   ( コ ラ ム ):事実と真実

 第4章 農医連携:世界の動向
   ・はじめに
   ・国際窒素イニシアチブ(INI)
   ・地球圏−生物圏国際協同研究計画(IGBP)/地球変動と健康プロジェクト(GEC&HH)
   ・国際土壌科学会議:土壌と安全食品と健康
   ・オランダ:ワーへニンゲン大学とワーへニンゲン食品科学センター
   ・オランダ:国立健康環境研究所(RIVM)
   ・コペンハーゲン大学
   ・メリーランド大学
   ・南カロライナ医科大学
   ・サスカチュワン大学
   ・イギリス:リーバーヒューム農医連携研究所(LCIRAH)
   ・タイ:チャオ・プラヤー・アバイブベ郡立病院
   (言葉の散策):環境
   ( コ ラ ム ):仁和寺にある法師

 第5章 農医連携:日本の動向
   ・はじめに
   ・北里大学:農医連携
   ・千葉大学:環境健康フィールド科学センター
   ・島根大学:医工農連携プロジェクト
   ・高知大学:環食同源
   ・大阪府立大学生命環境科学部:生命環境科学部
   ・学術会議の動向:生命科学、医と食、農学アカデミー
   ・農林水産省:食料・農業・農村白書、農医連携事業
   ・文部科学省:大学教育改善支援プログラム
   ・学会関係:日本衛生学会、日本栄養改善学会、日本畜産学会
   ・人と動物の関係学
   (言葉の散策):人と病人と故人
   ( コ ラ ム ):告朔の?羊

 第6章 代替医療と代替農業
   ・はじめに
   ・代替医療
   ・代替農業
   ・代替農業と代替医療の連携
   ・農医連携の実践:タイの例
   (言葉の散策):農と環境と医療
   ( コ ラ ム ):蛍雪の功

 第7章 農医連携各論
   ・鳥インフルエンザ
   ・重金属:カドミウムとヒ素の例
   (言葉の散策):身土不二
   ( コ ラ ム ):いのちの食べ方
   ・地球温暖化
   ・オゾン層破壊
   ・動物と人が共存する社会
   ・その他
   (言葉の散策):教・育・学・習
   ( コ ラ ム ):盈科而進

 おわりに

  附1 北里大学農医連携学術叢書シリーズ
  附2 農医連携に関わる本の紹介
  附3 環境変動を基とした農と医の50年史