北里大学農医連携学術叢書 第5号
地球温暖化
─ 農と環境と健康に及ぼす影響評価とその対策・適応技術 ─
 
 
 
陽 捷行 編著
 
 

■定価 (2,600円+税)
■A5判 122頁
■別途送料がかかります。送料はお問い合わせ下さい
■発行年月  2009.04
■ISBN 978-4-8425-0449-0

 
 
■概略

地球温暖化が農業生態系や人の健康に及ぼす影響を最新の知見で様々な視点から論述。

 
 
■解説

 「地球温暖化:農と環境と健康に及ぼす影響評価とその対策・適応技術」と題した第5回シンポジウムの内容をまとめたものがこの叢書です。
 このテーマでシンポジウムを開催した趣旨の原点は、次のようなことにあります。
 われわれはなぜ、人類や文明がいま直面している数々の驚異的な危機に思いが及ばないのでしょうか。地球温暖化がさまざまな生態系に極めて有害な現象を引き起こし、地球生命圏が、すでに温暖化制御の限度を超えてしまっているのに、ひとびとがそれを理解できずにいるのはなぜでしょうか。米国が京都議定書から離脱したり、先進国と途上国の間で政治的な綱引きが行われたり、有効な国際的温暖化対策が進んでいないのはなぜでしょうか。地球には、小は微生物から大はクジラにいたるヒトを含めたあらゆる生物が生息しているという概念、そしてこれらの生物がさらに大きな多様性を包み込む「生きている地球」の一部だという概念を、われわれは心の底からまだ理解していないのでしょうか。これらすべての危機的な現象が、食料を豊かに生産し、便利で文化的な生活を営むわれわれの活動に由来することに、なぜ気づかないのでしょうか。たとえ気づいていても、これを改善できないのはなぜでしょうか。
 しかし幸せなことに、1970年代から地球温暖化問題に取り組んでいるアル・ゴア前米副大統領とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)に、2007年のノーベル平和賞が授与されました。このことによって、地球の温暖化問題が世界のひとびとの掌中に届いたことになります。
 危機的状況にある地球の温暖化が人間の生活に及ぼす負の影響は、極めて重大です。干ばつ、塩類化、土壌浸食などによる食料問題、熱射病、紫外線増加、デング熱、マラリアなどによる医療問題は、いずれも人類の未来に暗い影を落としています。地球環境の変動は、いつの時代も食料を提供する農業と、人の健康と生命を守る医療に密接に関わっているのです。
 このような視点から開催された第5回シンポジウムの講演者には、これまで様々な形で国内外を問わずIPCCに携わってこられた方々をお招きしました。本書により地球温暖化の最新の知見や、これまでのわが国の研究者によるIPCCへの協力の一端を理解いただければ幸いです。

 
 
■要目

[主要目次]

 『地球温暖化:農と環境と健康に及ぼす影響評価とその対策・適応技術』発刊にあたって
 第1章 IPCC報告書の流れとわが国の温暖化現象
 第2章 地球温暖化の影響および適応策の課題
 第3章 農業生態系における温室効果ガス発生量の評価と制御技術の開発
 第4章 気候変動による感染症を中心とした健康影響
 第5章 気候変動の影響・適応と緩和策―統合報告書の知見―
 総合討論とアンケート
 著者略歴